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林産試だより2006年5月号 特集「平成17年度 研究成果発表会」 フロア材の市場動向と床暖房用フローリングの性能

 ●特集『平成17年度 研究成果発表会』

フロア材の市場動向と床暖房用フローリングの性能

技術部成形科 澤田 哲則

 研究の背景・目的

 当場では,安全性や快適性を備えた床・フロア仕様に関する研究ノウハウを有し,企業との共同研究によって体育館・大面積フロア用床暖房システムや視覚障がい者向け誘導ブロックおよび冬季道標システムの開発などを行ってきました。現在も企業との共同研究で床・壁暖房に適した内装資材の開発や圧密化木材を用いた機能性フローリングの検討に取り組んでいます。


 研究の内容・成果

 床暖房や床・壁暖房のような新暖房方式に対応する床や,一般体育館と同等の安全性を有する床を提供するためには,フローリング単体だけではなく,床の構成を含めた床仕様全体での評価・検討が必要となります。当場では,次のような様々な試験から一連の床性能を明らかにし,総合的な床の開発に取り組んでいます。

暖房性能評価試験

 床・壁暖房による室内各部の温度変化などを測定しました。暖房初期の昇温時間や,流量による温度への影響などを検討しました。

写真 暖房性能評価試験


床暖房用フローリングの加熱評価試験

 フローリングを裏面から加熱し,変形量などを測定します。より幅が狭いフローリングのほうが,すき間の発生量が少ないことなどを確認しました。

写真 床暖房用フローリングの加熱評価試験


床の転倒衝突時硬さ試験

 人が転倒して床に体をぶつけた時の衝撃安全性を評価します。根太を用いた床の構成で,安全性を確保できる床仕様を開発しました。

写真 床の転倒衝突時硬さ試験


床の滑り抵抗性試験

 いろいろな靴底などを用いて,床の滑り具合を評価します。上履き使用を前提とした,フローリングへのノンスリップ塗装の有効性を確認しました。

写真 床の滑り抵抗性試験


床の弾力性試験

 一般体育館の安全性基準に適合した床かどうかを評価します。根太を用いた床の構成で,その基準に適合できる床仕様を開発しました。

写真 床の弾力性試験


床の歩行感・疲労感試験

 床の歩行感の良否や,長期利用した場合の疲労度などを予測します。木材のみの構成では十分な性能を得るのは難しく,様々な仕様を検討中です。

写真 床の歩行感・疲労感試験


 今後の展開

 床暖房用フローリングは,需要が急増しており期待のもてる製品分野です。しかしながら,標準となる製品規格が整備されておらず,当場でも現在のところ独自の規格で製品評価を行っています。今後は業界の試験基準等を考慮し,評価方法の整備を検討したいと考えています。
 また,高齢化が進むなかで家庭内での転倒事故による死亡例や救急搬送例が増加しています。転びにくい床,転んでも大事に至らない安全な床の開発・普及につとめたいと考えています。

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