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林産試だより2006年5月号 特集「平成17年度 研究成果発表会」 カラマツ堆肥舎などを安心して使うために

 ●特集『平成17年度 研究成果発表会』

カラマツ堆肥舎などを安心して使うために

性能部構造性能科 藤原 拓哉

 研究の背景・目的

 堆肥舎などでは構造部材が屋外環境にさらされるため,材面に割れを生じることがあります。このような損傷が発生した場合,梁材や柱材など主に曲げや圧縮の力を受ける部材単体としてはほとんど影響はありませんが,接合部では強度低下が十分に予想されます。そこで,接合部を対象として構造物としての安全性に対する判定方法や補強の方法について検討しました。


 研究の内容・成果

 ボルト接合など幾つかある接合形式のなかから,木質トラス構造に使用されることが多い鋼板挿入型のドリフトピン接合を対象に試験を行いました。接合部及びその周辺に割れが発生している試験体を用いたせん断試験により,割れの程度と接合耐力の関係を確認しました。

 接合耐力に影響する割れの程度を表す指標として割れの幅と深さから算出する「割れ面積」を用いると良いことが分かりました。



割れ面積と接合耐力との関係図



補強例


 補強方法としては,薄鋼板の釘打ちやスチールバンドを巻くといった割れの拡大を抑えるような方法が適しています。右図に示す補強方法では耐力残存率が80%以上あれば,割れがない状態と同じ耐力にまで回復させることができました。



 今後の展開

 具体的な判定方法等については「カラマツ堆肥舎などを安心して使うために」をご覧ください。
http://www.fpri.hro.or.jp/manual/karamatsu/taihisya.htm
 割れが発生した場合の対応について紹介しましたが,十分な養生期間の確保を含む乾燥工程の適正化や集成材の使用により,なるべく割れを発生させないことが望ましいといえます。

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