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林産試だより2006年5月号 特集「平成17年度 研究成果発表会」 木質系バイオマスのサーマルリサイクルに関する研究

 ●特集『平成17年度 研究成果発表会』

木質系バイオマスのサーマルリサイクルに関する研究

利用部物性利用科 山田 敦

 研究の背景・目的

 京都議定書の発効や原油価格の高騰にともない,北海道内に膨大な資源量が期待でき,化石燃料を代替することによるCO2削減効果を持つ,木質系バイオマスのサーマルリサイクル(熱的再利用)が注目されています。
そこで,北海道内における木質系バイオマスのサーマルリサイクルに関する提言を行うために,地域の資源を活用した効率的なバイオマス燃料の開発と民生需要を想定した小型コジェネレーションシステム(電気・熱供給システム)に活用可能な小型のガス発生炉の試作・試運転を行いました。


 研究の内容・成果

○地域の資源を活かした木質ペレット燃料の製造

 地域の資源を活用したペレット燃料を試作し,その燃料特性(発熱量・水分・灰分)を調べました(表1)。

表1 木質ペレット燃料の真発熱量及び水分・灰分


 また,発熱量を高くするために,木炭とバークの混合物(混合比1:1)を原料としてペレット燃料を試作し(写真1),バークのみを原料とした場合の約1.4倍の発熱量を持つことを明らかにしました。



写真1 木質ペレット燃料(木炭+バーク)

○バイオマス発電を目的としたガス発生炉の試作

 小型バイオマス発電のために,比較的構造が簡単でタール発生量が少ないダウンドラフト型のガス化炉(写真2)を試作しました。燃料として,木質ペレット(トドマツ:直径6mm・長さ20~30mm)を水車タイプの自動供給装置により,5分間ごとに約300g供給し,約40分間市販の発電機(1.3kW)を稼働させました。



写真2 ダウンドラフト型ガス化炉

 今後の展開

 寒冷地である北海道にとって,再生産可能なエネルギー源である木質系バイオマスを冬季暖房などの熱源として利用する取組みは,今後ますます重要になると考えます。  現在,滝上町・大滝村・厚沢部町・足寄町において木質ペレット燃料の製造が行われているほか,札幌市における街路樹せん定枝等を石炭と混焼し地域熱供給を行う試みなど,北海道各地で,地域の状況に即した各種のサーマルリサイクル施設の立地が検討されています。今後は,本研究の成果を活かし,地域の資源や需要状況にあった木質系バイオマスのサーマルリサイクルシステムの構築を目指します。

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