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林産試だより2006年5月号 特集「平成17年度 研究成果発表会」 トドマツ人工林材の強度把握

 ●特集『平成17年度 研究成果発表会』

トドマツ人工林材の強度把握

渡島西部森づくりセンター 植杉 雅幸

 研究の背景・目的

 トドマツ人工林材は天然林材と同様の用途に利用されているものの,一部から材質を心配する声も聞かれます。
 一般的に,針葉樹は年輪幅の増大に伴い密度や強度性能等の性質が低下することが知られていますが,トドマツにおいては適度な成長の範囲では大きな違いがないとされています。
 これらの状況を把握するため,過去の施業履歴と成長量,密度,強度の関係を検証するとともに,利用目的に合った施業方法や材質の違いによる用途を探るために丸太での強度調査を行いました。


 研究の内容・成果

 留萌管内全域の私有林18箇所(270本)の林分成長と容積密度数,動ヤング係数を調査しました。

図 平均胸高直径(平均値)

図 容積密度数(平均値)

図 動ヤング係数(平均値)

図 平均年輪幅と動ヤング係数

調査のまとめ

1. 直径成長は,未施業林分で劣っていました。
2. 未施業林分では容積密度数の値が低くなり,過去の研究報告で言われている望ましい数値の300kg/m3を下回る林分がありました。
3. 除・間伐を実施している林分においては,未施業林分より高い動ヤング係数を示しました。なお,全林分で構造材として使うことが可能な数値を得ました。


 今後の展開

1 今後の山づくり

(1) 成長の良し悪しが材質を決めるため,適地であれば積極的に間伐等の保育管理を行うことが必要です。
(2) 年輪幅が2~5㎜の範囲では動ヤング係数に大きな差は見られませんでした。そのため,間伐により肥大成長を促すことが必要と思われます。また,材質の良いものを目指し,枝打ちを行うことも重要です。

2 これからの取り組み

(1) 素材の日本農林規格(JAS)改正案で,動ヤング係数が表示できるようになる予定です。このことから,用途に応じた材を提供できるような取り組みが必要と思われます。
(2) 調査結果を林業普及指導活動に反映し,木材の利用拡大と併せて森林所有者の経営意欲向上を目指します。

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