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林産試だより2006年6月号 Q&A 先月の技術相談から 建築解体材に残った釘をとりたい

Q&A 先月の技術相談から

建築解体材に残った釘をとりたい

Q:解体した住宅から出た柱や梁を挽きなおして有効利用したいのですが,中に残った釘がのこを傷めるので困っています。簡単に取り除く方法はありますか。

A:ご質問のような材料(建築解体材と呼びます)に付いてる釘を完全に取り除くことや,すべてを発見することは困難なのが実状です。
 建築解体材に残っている釘は表面から打ち込まれたものですから,すべて取り除くことができそうですが,様々な条件が重なると取り除けなくなってしまいます。
 建築解体材に残っている釘やネジを分類すると,建築するときに柱どうしや柱と梁などをつなぐために使われた釘やネジと,居住しているときにカレンダーなどを取り付けるために打ち込まれた釘やネジに大別することができます。
   前者は強度を保つために,大きなサイズの釘やネジが用いられることが多く,頭がめり込むまで打ち込まれているので取り除くには大きな力がいります。
 後者はサイズの小さいことが多く,釘の頭が飛び出しているので,取り除くのは比較的簡単です。しかし,木ねじなどが使われていると,短時間では取り除けません。
 さらに,雨ざらしにされた建築解体材では釘がさびて頭が取れてしまうこともしばしばです。このような状態になると,見落としやすくなりますし普通の釘抜きではまず取り除くことはできず,プライヤなどを使うことになりますが,手間がかかる上に作業に必要な力も大きくなります。
 これらを踏まえ,林産試験場では,住友林業(株)と共同で,頭が取れたり,沈み込んでいたりしているような釘についてもできるだけ取り除けるような装置を開発し,製品化する企業を探しています(写真1)。


写真1 開発した釘抜き装置

 この装置は,市販のエアニッパーをベースにして,釘をつかむと同時に引き抜く機構を加えたものです。太い釘でも楽に引き抜けるよう,強い力が出るように設計しました。
 釘抜き作業にかかる時間を人手による作業と比較したところ,釘一本あたりにかかる時間が人手による作業では23秒であったのに対し,約14秒で行うことができ,作業者からも負担が軽減できたとの感想がありました(写真2)。


写真2 釘抜き作業

 この装置を用いても極端にさびて解体材の奥深くに残った釘までは取り除くことができませんが,解体直後など釘があまりさびてないうちであれば,ほぼ完全に取り除くことができると考えています。
 また,当場では,解体材内部に釘が残っていても切断できる丸のこの開発も行いました。挽き材速度など,改良すべき点もありますが,直径3mm程度の釘であれば,再研磨が必要になるまでに約200本切断できることを確認しています。この丸のこを用いた加工については別途お問い合わせ下さい。

(技術部 機械科 近藤 佳秀)

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