本文へ移動
林産試だより2006年8月号 特集『2006 木製サッシフォーラム』 特集『2006 木製サッシフォーラム』に寄せて

●特集『2006 木製サッシフォーラム』

特集『2006 木製サッシフォーラム』に寄せて

 近年の住宅は,高齢化や少子化などによる家族構成の変化,木製デッキなどの普及に伴う住様式の変化,室内空気質に起因するシックハウス症候群などを防止する必要性などによって,サッシや建材などの住宅資材が変化しています。
 木製サッシは,十数年前に一つの大きなブームがありました。それは,昭和20年代後半にアルミサッシが登場し,それまで使われていた気密性や水密性が悪い木製建具がなくなってから,再度木製窓を復権しようということで,ヨーロッパの木製サッシ製造技術を取り入れた企業が,その性能とデザインの優位性をアピールし,それによって特にリゾート施設や公共施設などの不特定多数の人が目にする機会が多い場所に使われたというものです。
 近年,バブル崩壊でこのような施設の建設が少なくなったため,木製サッシの需要も小さくなっているように思われます。しかし,用途は公共施設から一般住宅に広まり,その販売数は輸入木製サッシを含めて微増傾向にあり,まだ大きな可能性を秘めています。
 このフォーラムは,ドイツの窓研究所であるift Rosenheim GmbH(ローゼンハイム)が毎年10月に行っているフェンスターターゲ(Fenstertage)に範を取っています。このフェンスターターゲでは,全世界から窓関係者が一堂に会して,最新の窓技術についての講演会や研究所のワークショップなどを通じて,窓,ドア,ファサード(住宅の正面の形態)に関する試験・開発の情報交換会が2日間にかけて行われます。
 北海道版のフェンスターターゲ(1日だけしか開催しないので単数形のフェンスターターク)-木製サッシフォーラム-は,住宅建設に携わる方々やこれから住宅を建てようと考えられている方々に,窓の持つ幅広い機能とそれを効果的に活用する手法,また木製サッシの持つ広範な可能性などの窓に関する情報や住宅に関する情報を,様々な分野を専門に研究・実践されている方々に解説していただき,聴講されている方々と一緒になって,窓について考えようという趣旨で企画しました。
 平成8年2月に始まった木製サッシフォーラムも今年で11回目になりました。これまで,住宅の設計事務所の方々に木製サッシを使用するにあたってのコンセプトや施工例の紹介を行ってもらいました。また,大学の先生や道立試験研究機関の研究員の方々に,窓が担っているさまざまな機能の技術的,理論的解説やその時期の話題の紹介を行っていただきました。さらに,木製サッシを有効に活用するための技術や開発分野について関連分野の企業の方々にも講演いただいています。
 今年の木製サッシフォーラムは,18年2月9日に旭川市内で実施し,115名の参加者を数えました。テーマは,「木製サッシに関連する道立試の研究」です。
 北海道には28の道立試験研究機関がありますが,窓やドアのような開口部に関する研究を行っている機関がいくつかあります。そこで,今回は北方建築総合研究所環境科学部 鈴木大隆居住環境科長から「建築の立場から見たサッシ」,工業試験場製品技術部 吉成哲人間情報応用科長から「ユニバーサルデザインの面で見たサッシ」,林産試験場企画指導部 石井誠主任研究員が「木材を使用する立場から見たサッシ」と題して,これらの機関が今まで行ってきた開口部やそれを取り巻く研究について紹介していただきました。
 今回のフォーラムの講演内容が,木製サッシを使用するにあたって,何らかの参考になれば幸いです。
 また,道立試験研究機関がこんなことをしていると理解していただいて,今後気軽に利用していただきたいと思います。



会場の様子



次のページへ