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林産試だより2006年8月号 Q&A 先月の技術相談から 建材のVOC放散量の規制とVOC吸着材の性能評価

Q&A 先月の技術相談から

建材のVOC放散量の規制とVOC吸着材の性能評価

Q:建材からのVOC放散量の規制は今後どのようになりますか?またVOC吸着材の性能を評価するにはどのようにすればいいですか?


A:平成15年に建築基準法が改正され,室内に使用される建材は,ホルムアルデヒド放散量によって,使用面積が制限されました。また,学校環境衛生の基準においては,ホルムアルデヒド,トルエン,キシレン,エチルベンゼン,スチレン,パラジクロロベンゼンの6物質について,基準値が設定されています。これらに関しては,林産試験場ホームページ内のコンテンツ「室内の空気をきれいにするために」に詳しく書いてありますので参考にして下さい。国土交通省が行った室内空気の調査で,建築基準法改正以降の住宅では,ホルムアルデヒドだけでなく,他の化学物質の室内濃度もかなり改善されていることがわかりました。そこで国は,ホルムアルデヒド以外の化学物質を,建築基準法などの法的な規制をしない方向でいます。

 次に,建材から放散されるホルムアルデヒドやVOCを吸着する材料の評価は,現在,JIS(日本工業規格)で検討され,原案ができています。ホルムアルデヒドに関しては,(1)「小形チャンバー法による室内空気汚染濃度低減材の低減性能試験法 第1部:一定ホルムアルデヒド濃度供給法による吸着速度測定」と,(2)「小形チャンバー法による室内空気汚染濃度低減材の低減性能試験法 第2部:ホルムアルデヒド放散建材を用いた吸着速度測定」の二通りの方法で,VOCに関しては,(3)「小形チャンバー法による室内空気汚染濃度低減材の低減性能試験法 - 一定揮発性有機化合物(VOC),ホルムアルデヒド以外のカルボニル化合物濃度供給法による吸着速度測定」です。(1)と(3)の方法は,に示すように,一定濃度のホルムアルデヒドまたはVOCガスを小形チャンバーに供給し,試験片によりホルムアルデヒドやVOCが吸着されて排気されます。そのときの供給濃度と排気濃度の差により,試験片の吸着効果を評価します。(2)の方法は,ホルムアルデヒドを一定濃度放散する建材に,図のように試験片を張り付け複合建材を製作し,放散建材だけの場合と複合建材にした場合の放散量の違いで評価します。(1)の方法は,現在ISO(国際標準化機構)で審議され,国際的な規格になるでしょう。その後,(3)の方法もISOで審議される計画にあります。また,通常の吸着材だけでなく,光触媒を用いたの空気浄化に関する評価方法も,これらの方法を参考に検討されており,吸着材を評価する場合には,これらの方法が基準になると思われます。
 

 

図1  吸着速度測定装置

図2  放散建材と複合建材


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