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林産試だより2006年8月号 行政の窓 平成17年木材・木製品輸入の動向について

行政の窓

平成17年木材・木製品輸入の動向について

 【我が国の木材貿易】


 林野庁の「2005年木材輸入実績」によると,我が国の木材輸入額は,平成17年約1兆2千億円,前年比96%と減少しており,主要国別の輸入額では,平成16年に1,2位を占めたカナダ,インドネシアに代わり,平成17年は中国,マレーシアと続いて,その輸入額を増やしています。
 品目別の輸入量を見ると,丸太で1,065万m3(前年比84%),その輸入額は1,875億円(前年比88%),製材840万m3(前年比92%),輸入額 2,898億円(前年比92%)と,数量・金額とも減少しています。特に,丸太輸入量の44%を占める北洋材の減少は,経済成長が著しい中国が,天然林保護政策を取る一方で,ロシアからの輸入を増加させ,日本との丸太輸入の競合が激化したことが影響しています。また,合板輸入量も412万m3(前年比92%),輸入額は1,830億円(前年比91%)と数量・金額ともに減少しています。
 一方,木材チップの輸入量は,1,411万トン(前年比101%),輸入額は2,264億円(前年比108%)で数量・金額ともに増加しています。


 【北海道の木材貿易】


 平成17年北海道の木材・木製品の輸入実績は,財務省貿易統計によると,総額で815億円(全国比7%)を占め,主要品目別には丸太103億円(前年比87%),製材142億円(前年比91%)を占め,丸太,製材ともに輸入額が減少したほか,合板88億円(前年比90%),チップ237億円(前年比97%),集成材5億円(前年比84%)など大半の品目で減少し,増加を示した品目は,パルプ94億円(前年比 104%),構造用集成材19億円(前年比103%)となっています。
 道内においては,北洋材の輸入が中国と競合して丸太の輸入量が63%と大幅に減少した一方,平成16年の台風18号による風倒木の処理がピークを迎えたことなどから,道産材の利用が一層進む結果となり,木材の需要量は減少傾向にあるものの,昭和40年代以降急激に増加した輸入材率は,平成12年度(65.3%)以降減り続け,平成17年度においては52.5%と見込まれています。


平成17年木材・木製品輸入額



 【丸太の輸入】


  丸太の輸入量は,平成15年に増加に転じたものの,その後減り続け,平成17年は558千m3(前年比74%)と平成13年に比べ半減しています。
 特に,平成13年に全輸入量の約70%を占めていた北洋材の輸入量は,平成17年には約55%と下がり,平成13年と比べ,38%まで激減しています。北洋材は,サハリン州やロシア極東部から輸入されてきましたが,中国との丸太輸入の競合や,サハリン州における造材労働力の減少等により,輸入量は大幅に減少し,価格も上昇しています。また,中国は,平成14年から産業用丸太の輸入量が世界一となっており,2008年オリンピック開催,2010年万国博覧会の開催を控え,引き続き,中国の国内需要は堅調なことが予想されています。
 また,米材は,アメリカの住宅建築が活発なことから,カナダ材の出荷先はアメリカ市場に向いていることなどから,丸太輸入は平成13年に比べ62%にまで減少しました。
 南洋材は,資源的制約やインドネシアによる丸太の輸出規制などから,輸入国はマレーシアのみであり,釧路港に約7割,留萌港に約3割が輸入されています。


丸太輸入量の推移(北海道)


丸太輸入量年次別集計(北海道)




 【針葉樹製材の輸入】

 針葉樹製材の輸入量は,平成13年以降は,35万m3前後で推移しています。
 主要国別に見ると,国内需要が活発なアメリカは日本向けの輸出を減らし,カナダからの輸入が全体の約50%を占めています。ヨーロッパ圏では,フィンランドからの輸入量が77千m3と最も多く,次いでオーストリアやスウェーデンからの輸入が堅調な一方,ラトビアや平成16年から輸入が始まったルーマニアからの輸入が増加傾向にあります。
 また,ロシアでは国内の木材加工体制を強化しつつあり,輸入量は,平成13年に比べ2倍に伸びています。


針葉樹製材輸入量の推移(北海道)


年次別針葉樹製材輸入量




 【木材チップの輸入】

 平成17年のチップ輸入量は,1,481千トン(前年比89%),輸入額は237億円(前年比97%)で数量・金額とも減少しました。これは,パルプ原材料の需要量は前年並みであったことから,風倒木の整理が進み,針葉樹・広葉樹ともに道産材のチップ供給量が増えたことも影響したものと予想されます。
 また,国別で見ると,南アフリカ,オーストラリア,ブラジル,アメリカ,ベトナムなど世界の各地域に及び,針葉樹はパイン系の人工林なども輸入されています。

針葉樹チップの国別輸入状況


広葉樹チップの国別輸入状況




  【構造用集成材の輸入】

  道内における住宅着工戸数は,近年,5万戸前後で推移していますが,構造用集成材の輸入量も,40千m3と堅調に推移しています。
 為替や原油高による影響があるもののヨーロッパからの構造用集成材の輸入は好調で全体の80%近くを占める一方,カナダやアメリカからの輸入は減少しています。
 また,中国やロシアからの輸入量も徐々に増加し,平成13年に比べるとそれぞれ239%,310%と伸びています。

 

構造用集成材輸入量の推移(北海道)


年次別構造用集成材輸入量




  【その他の貿易動向】

  平成17年の木材輸出で注目すべき点は,平成16年丸太輸出量166m3が,平成17年4,123m3と大幅に増加したことです。これは,函館港から中国(上海近郊や大連)に向け,民間による風倒木の輸出が2度にわたり試みられたことによるものですが,継続的な取組には至っていないようです。また,他県においても,スギ・ヒノキの試験輸出が取り組まれるなど,国産材の有効活用が模索されていますが,経済成長が著しい中国や韓国,インドなどとの世界的な森林資源に対する需給動向の変化や道産人工林の充実等を背景として,今後は,国内における道産材の円滑な供給と利用促進がより一層期待されるところです。



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