行政の窓
北海道では,トドマツ・カラマツを主体とする人工林資源が充実しつつありますが,これら中小径木の多くは梱包材や土木用材などへの利用が中心となっており,付加価値の高い利用での需要拡大が急務となっています。
また,最近は健康・快適・本物・自然志向などへのユーザー意識の高まりにより,木質内装材等に対する潜在需要が高まりつつあり,多様な顧客ニーズに応える木材製品の提供が求められています。
このようなことから,道では,平成18年度から,北海道木材産業協同組合連合会が行う針葉樹人工林材(中小径木)を活用した木質内装材等の新商品を開発する「売れる商品づくりステップアップ事業」に支援を行います。
新製品の商品化には,消費者や様々な分野の関係者のニーズを踏まえ,マーケットを意識した商品づくりに取り組むことが重要であり,この事業では建具・販売業者,設計士,消費者,林産試験場職員等の生産者から消費に至る関係者の連携により,市場競争力のある新商品(=売れる商品)づくりを促進します。
平成18年度~平成21年度
商品開発1アイテムにつき2年間3アイテムを開発
(H18~H19,H19~H20,H20~H21)
道内の林業と木材産業の活性化を図るため,産学官の幅広い関係者が結集し,川上から川下までの様々な課題とその方策を探る「北海道林業再生研究会」が設立されました |
去る8月10日,道庁赤レンガにおいて林業,木材産業の関係者約100名が参加して,「北海道林業再生研究会」の設立総会が開催されました。
この研究会は,将来を見定めた森林管理や持続可能な資源の継承による北海道林業の再生を目指し,北海道大学・北海道森林組合連合会・北海道木材産業協同組合連合会・北海道森林管理局・北海道庁の5者が発起人となって参加を呼びかけたものです。
総会では,会の構成や事業内容のほか,役員や分科会の設置などが承認・決定されました。
【研究会の目的】
充実しつつある道内の人工林資源を活かした,低コストで持続的・安定的な林業経営及び木材の加工・流通体制を確立し,もって循環利用による森林資源の充実と森林関連産業の活性化に資する。
【会の構成と事業】
全体会議及び分科会で構成し,次の事業を行う。
(1)目的の達成に必要な調査研究
(2)モデル的な取組の実践
(3)関係機関等への提言
(4)その他必要な事業
【会員】
本会の目的等に賛同する個人,法人等とする。(総会開催時の会員数は100名)
【役員】
会長 北海道大学名誉教授 高橋 邦秀
幹事長 北海道大学大学院農学研究院教授 柿澤 宏昭
幹事 北海道森林組合連合会代表理事専務 甲斐武次郎
幹事 北海道木材産業協同組合連合会専務理事 本橋 正人
幹事 北海道森林管理局企画調整部企画課長 西 真
幹事 北海道水産林務部林務局林業木材課長 真山 良
【分科会】
分科会は,全体会議で定められた研究テーマのもとに,参加者が自由かつ主体的に議論を行う場として,具体的な調査・研究を行うものです。
○資源管理分科会 ~ テーマ「 人工林資源からの出材量の拡大と将来にわたる安定供給」
○林業経営分科会 ~ テーマ「 持続的な人工林資源の供給・更新が可能な低コスト林業の確立」
○木材加工・流通分科会 ~ テーマ 「低コストで品質・性能の優れた人工林材の加工・流通体制の整備」
-記念講演- |
設立総会での決定を受け,9月14日,15日に3つの分科会が開催されました。
各分科会では,それぞれ座長を選出するとともに,効率的な研究を進めるために「研究班」を設置できることとし,研究班が担当する研究項目や今後の進め方などについて意見を交換しました。
今後は,班を中心に,課題の解決に向けた具体的な研究が進められることとなり,11月下旬に予定されている第2回分科会で,取組状況が報告されることとなっています。
【資源管理分科会】 |
【木材加工・流通分科会】 |
【林業経営分科会】 |
今年度の研究会は,分科会活動を中心として,関係者が情報と認識を共有しながら検討を進め,来年度にはこの成果を踏まえ,モデル的な取組の実践を目指しています。
また,3年後を目途に中長期的な視点に立った林業再生に向けた取組方向を提言することとしています。
取組研究会への参加は自由です。会費は不要ですので,この研究会の趣旨に賛同していただける方は,是非,参加の申し込みをいただきますようお願いします。