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林産試だより2006年12月号 共同研究の成果を特許権などに権利化する手続について

●特集『知的財産権 その2』

共同研究の成果を特許権などに権利化する手続について

企画指導部 企画課 情報係

 当場と民間企業の共同研究で得られた研究成果の産業財産権(特許,実用新案,意匠など)取得のために,出願から登録に至るまでの間で留意すべき事項についてお知らせします。なお,おおまかな流れについては,後段のフロー図をご覧ください。



 1 前段手続


 共同研究において生じた研究成果は,道が共同出願人の一人として出願すべきものであるか否かを道として判断します。



 2 共同出願契約の締結


 当該研究成果を産業財産権として登録するため,特許出願等をする場合は,まず試験場と共同研究の相手企業との間で,共同出願契約を締結します。契約書には,発明等の名称,発明内容,発明者(道側,企業側両方),契約者(本社社長,支社長など),道と企業各々の持分(許諾収入の分配割合であると同時に,特許庁に支払う費用の負担割合にもなる),出願等の手続はどちらが行うのか,優先実施権を設定するのか否かなどの必要事項を明記します。

 共同出願人となる企業の中には,弁理士に出願手続等を依頼する企業もありますので,その場合の弁理士費用については全額企業に負担していただきます。

 優先実施権については,契約書に明記すると,出願の日から5年間,道は第三者に対し実施許諾しないので,企業側は事実上独占的に特許権等を実施することが可能となります。逆に,優先実施権を明記しない場合は,道は企業側の同意を得たうえで,第三者に対して実施許諾することにより実施料収入を得ることができます。

 また,優先実施権を明記した場合,5年間の範囲内で,優先実施期間を更に延長することができますが,延長した期間内の登録料等については,企業側に全額負担をお願いしています。

 なお,共同出願契約書は,非課税文書なので収入印紙の貼付は不要です。



 3 出願


 共同出願契約以降の手続について,弁理士に手続を依頼するなど,企業が行う場合は,道が支払う特許印紙(特許庁への手数料や登録料などの支払いに用いる印紙)を企業側へ送付することとなりますが,本稿では,道側が手続を行うケースを想定して説明します。

 道側・企業側双方の発明者の合意に基づき,出願書類(願書,請求の範囲,明細書,図面,要約書等)を作成します。願書の企業側出願人代表者欄には,代表者印を押印の上,出願手数料のうち企業側の持分割合に相当する額を特許印紙で当場へ提出していただきます。なお,実用新案登録出願では,登録料3年分のうち企業側の持分割合に相当する額の特許印紙についても,同時に提出していただきます。

 当場では,道側,企業側双方の負担する出願手数料分の特許印紙を願書に貼付し,道庁経由で願書の道側出願人代表者欄に知事印押印の上,特許庁へ提出します(実用新案登録出願では,登録料3年分の特許印紙も貼付)。



 4 出願審査請求(特許のみ)


 特許は,出願しただけでは審査されません。権利化するためには,審査請求を行う必要があります。道では,出願公開後(出願から約1年半後),出願日から3年を経過するまでの間に,審査請求を行うか否かを決定します。これは,有用な特許権の取得を目的として審査請求するため,出願時点で公開されていなかった特許等を網羅した先行技術調査や,社会情勢の変化に伴う許諾収入見込みの再精査を踏まえ,判断するものです。

 審査請求する際は,出願と同様,出願審査請求書の企業側請求人代表者欄には,代表者印を押印の上,出願審査請求手数料のうち企業側の持分割合の特許印紙を当場へ提出していただきます。当場では,道側,企業側双方の負担する出願審査請求手数料分の特許印紙を出願審査請求書に貼付し,道庁経由で出願審査請求書の道側請求人代表者欄に知事印押印の上,特許庁へ提出します。



 5 拒絶理由通知に対する補正書,意見書の提出(特許,意匠)


 審査官が出願を審査し,要件を備えていないものであると認められると,拒絶理由が出願人に通知されてきます。

 これに対し,意見があれば,出願人は指定された期間内に意見書を提出する必要があります。また,意見書を提出するほか,必要があれば,同時に明細書,請求の範囲,図面等を補正するための手続補正書を提出します。



 6 拒絶査定を踏まえた対応(特許,意匠)


 拒絶理由通知に対し,意見書を提出しても採用されず,拒絶査定をされた場合,査定を受け入れて登録を断念する以外に,不服審判請求(特許庁),審決取消訴訟(知財高裁),上告(最高裁)などの選択肢があります。



 7 登録査定(特許査定)を踏まえた設定登録(特許,意匠)


 特許庁から登録査定(要件を満たし審査に合格したということ)されたと通知を受けた場合,その旨を企業へお知らせしますので,3年分の登録料のうち企業の持分割合の特許印紙を当場へ提出していただきます。当場では,道側,企業側双方の負担する登録料3年分の特許印紙を納付書に貼付し,特許庁へ提出します。

 登録が完了しますと,登録証が特許庁から当場へ送付されてきますので,共有者である企業分の登録証を企業へ転送します。

 登録された日から,2,3か月後公報に登載されます。登載内容については,特許情報プラットフォームから,文献番号に登録番号を入力することで入手できます。アドレスは, https://www.j-platpat.inpit.go.jp/です。



 8 登録4年目以降の登録料納付


 登録後,特許権等のうち道側の権利に関する管理業務は,当場から道庁企画振興部へと引き継がれます。

 従って,登録4年目以降の登録料納付に関わる手続については,道庁企画振興部科学技術振興課知的財産グループ(tel 011-204-5128,fax 011-232-1063)が担当しますので,詳細は同グループと打合せの上進めることになります。


共同研究成果登録の流れ



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