本文へ移動
林産試だより2006年12月号 職場紹介 性能部 防火性能科

職場紹介

性能部 防火性能科

 防火性能科では,防火性能の高い木質材料の開発や火災に強い木質構造部材に関する研究を行っています。


 主な研究内容


1.木質防火材料の開発

 木質材料は暖かみ等の独特な質感があるため,公共施設等の不特定多数の人が集まる建物に使用したいという要望はかなりあります。しかし,そのような建物では火災時に人命の安全性を確保するため,壁や天井には燃えにくい内装材料を使用しなければなりません(これを内装制限といいます)。そこで,木質材料を内装制限の受ける場所に使用できるように,薬剤の注入処理や接着剤への混入処理により燃えにくくする研究を行っています。写真1は,発熱性試験により防火性能を評価している様子です。試験では,上部の円すい形ヒーターで直下の試験体を加熱します。無処理合板は大きな炎をあげて燃えていますが,薬剤処理した合板は黒く変色するものの,炎があがっていません。薬剤処理によって合板が燃えにくくなっていることが分かります。



写真1 防火性能の評価(左:無処理合板,右:薬剤処理合板)



2.耐火性能の高い集成材に関する研究

 樹木は成長の際に地球温暖化を招く大気中の二酸化炭素を吸収することから,集成材等の木質材料を使う木造建築物は,鉄筋コンクリート等の非木造建築物と比べて「環境に優しい」として注目されています。しかし,木質材料は火災後に燃焼が止まらず(図1),強度が保持できないことから,木造建築物は火災に弱いとされています。そのため,木造建築物の用途や規模は,非木質建築物に比べて大きく制限されてきました。



図1 集成材の燃焼時の挙動


 そこで,木造建築物の適用範囲を広げるため,比較的断面の大きな集成材を対象として,火災に耐える性能(耐火性能)を付与する技術開発を行っています。この研究では,薬剤を注入処理した木質材料を集成材の周囲に張り付ける方法を検討しています。この技術により,火災時後の燃焼を停止させ,火災時の強度を保持することが可能になります(図2)。



図2 耐火集成材の燃焼時の挙動


 防火性能科では,上記の二つの研究のほかに,「寒冷地仕様木造外壁の耐火性能に関する研究」や「木製サッシの遮炎性能に関する研究」も行っています。



前のページへ|次のページへ