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林産試だより2007年1月号 きのこの機能性に関するいくつかの話題

 

きのこの機能性に関するいくつかの話題

性能部 主任研究員 菊地 伸一




 前号に続き,「きのこセンター瓦版」の中から,一般の方にも興味を持っていただけそうな内容を紹介します。




 はじめに


 きのこは低カロリーで食物繊維が豊富,野菜にはないビタミンDを含むなど,健康的な食材として期待されています。



 健康食品・機能性食品とは





写真1 健康食品の例


 「健康食品」は,「健康補助食品(JHNFA認定)」,「栄養機能食品」,「特定保健用食品(通称:トクホ)」,およびこれらに該当しない「一般食品(健康食品)」に区分されます。それらの大まかな違いを表1に示します。「JHFAマーク」付きの健康補助食品は,(財)日本健康・栄養食品協会(JHNFA)が審査・認証を行い,製品の品質や規格を保証しています(健康に対する効果を保証するものではありません)。栄養機能食品と特定保健用食品は,平成13年度に制度化された「保健機能食品制度」に基づく食品で,医学的な機能が認められています。写真1は,一般にビタミン剤とかサプリメントと呼ばれているものです。向かって左側は「医薬品」で「効能」が記されており,右側は「栄養機能食品」で「含まれる成分」が表示されています。

 きのこ関連製品で,健康補助食品~特定保健用食品の認定・指定を受けているのは,シイタケ,マンネンタケの健康補助食品と,ブナハリタケエキスを利用した2種類の特定保健用食品だけで,それ以外の健康食品と言われるものは全て企業の独自の効能判断による商品と言えます。その商品数は数百に及び,原料となるきのこは,アガリクス,カバノアナタケ,霊芝,メシマコブなどから,シイタケ,マッシュルーム,タモギタケ,エリンギ,ハタケシメジ,ハナビラタケなどの食用きのこ由来の製品まで多岐にわたっています。「JHFAマーク」を持つシイタケ,マンネンタケ製品は,各々9種類,22種類となっています。


表1 健康食品,機能性食品,医薬品の区分



 「健康食品」の安全性・有効性情報


 このように,きのこを原材料として使用した「健康食品」は数多くありますが,それらの中には有効性や製品の安全性が科学的データに基づいて示されていないものがあります。独立行政法人国立健康・栄養研究所では,「健康食品」が関連する健康被害を防止し,健全な食生活を推進する目的のため,「健康食品」に利用されている素材(成分)の概要,有効性・安全性情報を提供しています。きのこについては,表2の8品種が取り上げられています。データの無断転用が禁止されているため個々の内容は紹介できませんが,下記ホームページから科学的根拠に基づく情報が簡易に検索できます。
「国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 国立健康・栄養研究所ホームページ「健康食品の」安全性・有効性情報: https://hfnet.nibiohn.go.jp/


表2 「健康食品」の素材情報データベース(きのこ関係)



 きのこの機能性に関する道内の研究開発の一例


 北海道内の研究機関が最近実施したきのこの機能性に関係する研究の一例を表3に示します。これらのほかに,道立食品加工研究センターでは,きのこの有用成分の回収技術を,また林産試験場ではACE阻害活性(血圧を下げる作用)を持つきのこの有効性の検討や選抜を進めているところです。


表3 きのこの機能性研究課題の一例(公募事業)



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