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林産試だより2007年5月号 職場紹介 性能部 耐朽性能科

職場紹介

性能部 耐朽性能科

 「木材保存」とは,木材のさまざまな劣化現象に対して科学的手法により木材に耐久性を付与し,その耐用年数を延長させる技術です。木材保存技術の中でも耐朽性能科が分担している研究領域は,木質材料および木質構造物の生物劣化と,それに対応する技術開発です。


 最近の研究内容


(1)屋外における木材の耐朽性(耐久性)に関する研究

 公園などに設置された木製遊具,あるいは河川の護岸や治山用途に利用された土木資材の腐朽による劣化,保存処理木材の海虫に対する抵抗性などについて研究を行い,保存処理木材を含めた木材の野外環境下における耐久性を明らかにしてきました。また,ファンガスセラー試験(室内促進劣化試験)などにより腐朽と強度性能との関係についても明らかにしてきました。これらの結果を集約し,道内で需要の多いカラマツ間伐材を土木構造物に使用した場合の耐久性予測手法を開発しました。現在は,維持管理(設置後の薬剤による保存処理)の適切な実施時期や方法,それによって延長される耐用年数などを明確にするための試験を行っています。



左:室内促進劣化試験 , 右:耐久性予測手法を用いて設計・施工された構造物



(2)環境に配慮した木材保存技術に関する研究

 人体や環境への影響が少ない木材保存処理技術が求められています。そのような要望に応えるため,低毒性の保存処理薬剤で処理された道産材の性能評価,木材保存剤の分析手法の確立,水産廃棄物などの天然物由来成分を木材保存剤として利用するための検討などを行っています。また,保存処理木材からの保存剤成分の溶出挙動を明らかにするための研究も行っています。

固相抽出法を用いた木材中の木材保存剤成分(シプロコナゾール)の分析例

(3)住宅の耐久性・維持管理に関する研究

 品確法,あるいは耐震補強に関する法の改正等,住宅の長寿命化,維持管理が重要視されはじめました。しかし,構造的な強度が確保されたとしても,腐朽が生じるとその性能が著しく損なわれます。そこで,通常,目視だけでは発見しにくい初期段階の腐朽を発見するために,木材から腐朽菌のDNAを検出するための技術を開発し,実際の住宅で腐朽した部材に対しても応用が可能であることを見出しました。この技術と,機器類を用いた非破壊的な腐朽検査方法とを併用した住宅劣化診断手法を開発するための研究を進めています。



PCR法による木材腐朽菌の検出

 技術支援


 木材の耐朽性および木材保存剤の性能を把握するための試験方法が,いくつかの規格で定められています。耐朽性能科では依頼試験や共同研究・受託研究を通じて,これらの規格試験による評価,および基準を満たすための技術開発を行い,企業への支援を行っています。



左:防腐性能試験 , 右:加圧注入装置

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