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林産試だより2007年7月号 着任のごあいさつ

 

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着任のごあいさつ


北海道立林産試験場長 浅井 定美



 林業,林産業が再生の時代を迎えています。

 木材価格がピークにあったのは,昭和55年(1980年)です。第二次オイルショックのあとでした。以後,木材価格は下がりつづけ,ついに往時の3分の1にまで落ち込み,2年前には,国産材は世界一安い木材になりました。が,今ははっきり反転し,長期上昇トレンドに乗っているように思われます。また,前に戻してはなりません。
 今から10年前,平成9年(1997年)といえば,住専問題を契機に日本経済は金融不況のどん底でした。拓銀が経営破綻し,企業の倒産が続き,私はその年末に,林業・林産業の金融担当者として,木材関係の制度資金の弾力運用の要請に主な金融機関をまわっていました。しかし色よい返事はなかなかなく,どの機関も「金融ビッグバン」にそなえて自己資本比率の確保のため新規貸し出しを抑えていました。それでなければ銀行は生き残れないし,木材産業などお先まっくら,そんな雰囲気でした。金融機関の考えだけでなく,行政も業界も展望が開けない点では同じでした。「立ち枯れる林業」などという新聞見出しさえ出たのです。

 でも,10年は,一昔。
 北海道での実感はともかく,アメリカ経済の好調,BRICs諸国の成長,ユーロ経済の発展のなかで,日本経済も復調し,デフレスパイラルという言葉はもう聞かれません。
 この間,中国の驚異的な経済成長などを背景に資源インフレが進行し,国際木材需給の逼迫(ひっぱく)で海外からの原木輸入が急速に減少しています。一方,戦後,営々として植林された我が国の人工林資源は利用可能な段階に入り,日本の森林蓄積は史上最高になっています。かつていわれた「国産材時代」というより,国内の木材・木製品の製造業にとって,原木は「国産材しかない」時代,地場資源が優位の時代になりました。

 地球の温暖化などの環境問題や,安全・安心と健康が注目されています。
 「暮らしの『木づかい』は,森づくり,環境への貢献」
 「林業・木材産業は,持続可能な地球の未来を開く産業だ」
この主張を強めようではありませんか。

 時代の風をとらえ,北海道の森林の恵みを最大に循環させるため,林産試験場は木材の付加価値向上の先頭に立ちたい。
 6月はじめに着任し,そんなことを考えています。

 皆様のご指導,ご協力をよろしくお願い申し上げます。

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