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林産試だより2007年8月号 特集「2007 木製サッシフォーラム」 最近の住宅の外壁材

●特集『2007 木製サッシフォーラム』

最近の住宅の外壁材

北海道立北方建築総合研究所 吉野 利幸



 住宅の外壁材の役割


 住宅の外壁材は,木製サッシと同じく,建物の外回りに使われる建築材料として最も一般的なものです。

 本日は,北海道で使われている外壁材の種類や特徴などについてお話をさせていただきます。



図1 住宅の外壁の役割

 木造住宅における外壁は,建物そのものを支えるだけでなく,生活空間を外部環境から守る大切な役割を担っています。外壁材は,一番外側の最も厳しい環境に置かれているため,様々な性能が要求されることは言うまでもありません。また,住宅の顔となる部分を担っているため,物理的な性能とともに見た目の美しさといった意匠性が強く求められています(図1)。

 住宅品質に対する要求は高まっており,雨漏りなどが発生すると,外壁が疑われる事例が数多くなっています。

 平成12年に消費者利益保護の拡充を目的に制定された品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)では,目地を含む外壁など雨水の浸入を阻止する部分について10年間の瑕疵(かし)担保責任が義務づけられています。ここでは,住宅紛争処理の参考となるべき技術的基準が明確に示されています。住宅の構造耐力上主要な部分を保護する外壁材には,高い防水性能が求められており,外壁を設計・施工する際には,使用する外壁材料の選定や下地との取り合いなどに充分留意することが必要です。


 外壁材の耐久性


 瑕疵がない外壁であっても,より丈夫で長持ちするといったことが要求されています。丈夫な外壁とは,外力(地震,風圧,落雪など)で壊れない,劣化(凍害,錆(さび),腐れなど)しないなど欠点が少ないものといえます。

 一方,長持ちする外壁とは,新築時の性能の低下が少なく,美観を保つことができる外壁のことです。美観を保つために,汚れにくい性能を付与したり,セルフクリーニング機能を有した外壁もありますが,きれいさを保つだけでなく,古さや汚れが“みすぼらしさ”にならないといった要素も美観を保つ上で重要な意味を持っています。これは,建築の分野では,エイジングと呼ばれており,「年月の経過に伴い建物の景観的な質が向上する働き」と捉えられています。エイジング効果のある材料としては,ある程度の耐久性を有する材料で汚れにくい,あるいは均一に変化する場合には変色などが気にならないものが挙げられます。

 典型的な材料としては,レンガ,タイル,木材,石,コンクリートブロックなど,自然素材やローテク材料と呼ばれているもので,広く普及しています。



図2 外壁のエイジング効果

 図2は,外壁のエイジング効果を比較したものです。左上はレンガで造った北海道庁舎,右上は木製の外壁を張った住宅です。どちらの建物も年数が経っていますが,古いところに価値がある,古さがみすぼらしさになっていないといった印象があります。
 一方,下の二枚の写真は,タイル外壁を使用した建物です。一般的には,耐久性のある材料として認知されていますが,ディテールの不具合から窓周りが汚れてしまったため,みすぼらしさが漂っています。これらは,部分的な汚れが目立ち,美観が損なわれ印象が悪くなってしまった例といえます。




図3 価格と耐久性能のイメージ

 外壁材料は,簡単に取り替えることができないので,ある程度耐久性のある材料が求められます。図3は,価格と耐久性からイメージした模式図ですが,外壁に使われる材料は,耐久性を求めるとコストが上がる傾向があり,“丈夫で長持ち”,“美観を維持”できる外壁材料の普及にはコスト問題が大きく影響しています。  塗装にはそのような傾向がはっきりと現れており,金属板においても,塗装ほど顕著ではありませんが,そのような傾向がうかがえます。



 耐久性や意匠性で完璧な性能を持つ外壁材というものは存在しないため,丈夫で長持ちし,美観を保つためには,以下の項目について十分に配慮する必要があります。
 (1) 使用環境に適した材料の選択
 (2) 材料の弱点を補う設計(特に,水や日射に配慮した建物形状,ディテール)
 (3) 間違いのない施工
 (4) 適切な維持管理


 北海道の外壁材の変遷





図4 北海道の外壁材の変遷

 図4は,北海道の住宅の外壁材がどのように移り変わってきたかを簡単にまとめたものです。
 開拓期から終戦直後までは,本州から移り住んだ人たちが持ち込んだ,土塗,漆喰(しっくい)仕上,板壁が主流でしたが,その後はモルタル塗り外壁が盛んとなり,昭和50年代頃まで広く使われていました。昭和30年代になると,構造材としてコンクリートブロックやセラミックブロックが使用されるようになり,構造体をそのまま仕上げ材として使用する住宅が普及し始めます。

 その後,昭和30年代後半から高度経済成長期に入ると,企業技術力の向上や欧米などからの技術導入により,外壁材の性能や種類が多様化していきました。また,大量生産,大量消費方式の建て売り住宅などが普及し始めたことにより,外壁材としてすぐに使用できる乾式材料に転換していきました。



図5 新築戸建て住宅の外壁材の種類と使用割合

 図5を見ると,昭和54年には北海道の新築戸建て住宅の9割がモルタル塗仕上げだったものが,平成4年頃には窯業系サイディングが8割となっており,この10年あまりで一気に普及していったことがわかります。平成17年には,窯業系と金属サイディングを合わせると95%を占めるまでになり,それ以外のモルタル塗仕上げなどは5%程度となっています。







 主な外装材の特徴と劣化のメカニズム


 ここからは,主な外装材として広く普及している,窯業系サイディング,金属サイディング,ALC,プラスチックサイディング,高耐久・高機能塗装の特徴と劣化のメカニズムについて詳しく説明していきたいと思います。

○窯業系サイディング

 窯業系サイディングは,セメント質原料を主成分として製造されるもので,パルプやポリプロピレン繊維などを添加して板状に成形したものです。養生・硬化させた後,アクリル樹脂やウレタン樹脂などを工場で焼き付け塗装したものが一般的です。デザインのバリエーションが豊富で価格帯が広いため,選択の自由度が高いことが特徴です。しかし,水を吸いやすく凍害を生じる場合があることが欠点となっています。

・窯業系サイディングの凍害メカニズム



図6 セメントの水和反応と毛細管空隙の形成

 窯業系サイディングに発生する凍害は,セメントの水和反応により形成される毛細管空隙(くうげき)が大きく関係しています(図6)。

 セメントと水を混ぜた直後は,図6の左のようにセメント粒子が水の中に浮いた状態ですが,セメント粒子が水と反応(水和反応)すると体積が2.2倍になります。このとき,水和物がからみあって強度を形成し,水で満ちていた空間は狭まっていきますが,水が過剰な場合は,水和物で満たされない空間が残り「毛細管空隙」が形成されます(図6右)。
 この毛細管空隙は,空隙の半径が数nm~数万nmの大きさで,水が出入りしやすく,凍害の発生に深く関与しています。

 一方,数nm~数千nmの大きさを持ち,空気が詰まっているため水で満たされることのない「気泡」と呼ばれるものが形成される場合もあります。これは,毛細管空隙と異なり,凍害の防止に非常に効果的な役割を果たします。

 毛細管空隙内の水が凍結する際,水から氷への相対変化で9%の体積膨張を生じた場合,体積膨張に見合う分だけの空間がなければ,未凍結水は移動しなければなりません。しかし,移動する際には,毛細管の大きさ,組織の緻密さ,移動距離,移動速度に応じて周壁に圧力を生じるため,このときの移動圧が周壁組織の引っ張り強度を超えると損傷を生じ,凍害発生の要因となります。

 しかし,毛細管が気泡とつながって凍結時の圧力を緩和できるような場合は,凍害から免れることができます。

・窯業系サイディングの製造方法と空隙特性

 凍害に関係する窯業系サイディングの空隙特性は,窯業系サイディングの製造方法と密接な関係があります。
 製造方法は大きく(1)抄造法,(2)押し出し法,(3)積層プレス法に分類できます。

 抄造法はマット成形法とも呼ばれ,原料のセメントや繊維材料などを大量の水の中で溶いて,抄造フェルト上にすき上げ,脱水した後で加圧成形するものです。
 この方法で造ったサイディングの空隙構造は,直径数千~一万nmの粗大空隙が多くなります。同じ抄造法でも,セメントの割合を増やしたりプレス圧を高くして製造した高密度(密度1.6程度)のサイディングは,空隙径,空隙量がともに少なくなります。

 押し出し法は,補強繊維やセメントに少量の水を加えて比較的固く練り混ぜた混合物を,うどんのようにオーガスクリューで押し出して成形するものです。凍害防止に有効な気泡のほか,水より軽い材料を原料として混ぜ込むこともできます。
 この空隙構造は,粗大空隙が少なく直径数百nm以下の小さな空隙が多いのが特徴です。気泡や気泡の役目を果たす材料を混入することで,直径数千nm程度の空隙を増加させ耐凍害性を強化できます。

 積層プレス法もマット成形法の一つで,比較的短い木片や木繊維,セメント,水などの混合割合を下層部,中層部,上層部ごとに変えてベルトコンベアの上に散布し,高圧でプレスしながら成形するものです。
 この空隙構造は,粗大空隙が少なく直径数千nmの空隙量が多くそれ以外の空隙が少ないのが特徴です。これは,原料に用いた木片などの空隙構造に関係しているようです。

 以上述べてきたように,窯業系サイディングには様々な空隙が存在しており,空隙率の多いもので70%,少ないもので30%程度となっています。これらを,24時間吸水させた場合,空隙量の8割ぐらいの水を吸い,多いものではほぼ100%に近いものも存在します。

・窯業系サイディングの暴露試験

 窯業系サイディングを10年間暴露し,凍害の実状を調べた結果を表1~2に示します。

左:表1 抄造法の暴露試験結果
右:表2 押出法,積層プレス法の暴露試験結果


 抄造法のサイディングは,高密度の製品を除き2~6年程度で凍害が発生しました。
 押出法も4~6年で凍害発生が確認できるものがありましたが,半数近くのものには凍害が生じていませんでした。
 積層プレス法に至っては,塗装などの表面処理は劣化しましたが,基材部分には外観上凍害が全く発生していませんでした。

 成形法に関わらず高密度品は耐凍害性に優れるほか,気泡や気泡代替材,木片や木繊維を混入したものが耐凍害性に優れた製品といえます。
 材料以外にも,設計・施工面でサイディングの乾燥を保持する工夫,より多くの水分を安全に含むことのできる厚物を使用するなど,凍害防止の発生を防ぐことも重要と思われます。


○金属サイディング

 2番目に多く使用されているのは,金属サイディングです。これらは,金属製の表面材(表面処理鋼板,アルミ合金塗装板など),芯材(硬質プラスチックフォームなど),芯材を被覆する裏面材を複合して製造されます。特徴としては,軽量で加工性に富み,色の種類は豊富だが模様は単調といったことが挙げられます。

 また,凍害が発生しないことやメンテナンスサイクルが比較的長いことなどにより,リフォーム等も含めて利用割合が増えています。
 金属製の表面材の種類によって耐久性能や価格に差が見られますが,テクスチャーや施工法の違いは少ないようです。
 金属サイディングの物理的性質に関する特徴は,錆びるということです。

・鉄の錆



図7 鉄錆のメカニズム

 鉄錆の発生は,表面の酸化膜層が劣化物質によって破壊され,水分と酸素の供給によって進行します。鉄と水が接触すると鉄がイオン化し水の中に溶け出し,そのときの電子の作用で水が分解されます。分解された水の一部(OH-)は,水中に溶け出た鉄イオン(Fe2+)と化合物をつくります。中性溶液中ではFe2+とOH-とが結合して水酸化第一鉄が生じます(Fe(OH)2・・・青錆)(図7)。更に,青錆は,水中の酸素と反応して水酸化第二鉄となって沈殿します( Fe(OH)3・・・赤錆)。

・アルミの腐食



図8 アルミの腐食-孔食

 アルミによく見られる腐食に,点状に小さな穴が開く孔食と呼ばれる腐食形態があります(図8)。アルミの表面は,通常酸化被膜で覆われているのですが,表面に付着した細かいゴミなどに含まれる塩素イオンが酸化皮膜を溶かし,塩素イオンが表面から進入して進行します。しかし,このときに溶け出した水酸化アルミが孔食の入口をふさぐ結果,次第に内部が中性化し,時間がたつと腐食がほとんど止まります。これは腐食の自己抑制作用とよばれています。




図9 アルミの腐食-電蝕

 また,アルミと他の金属とを接触させた場合に電蝕と呼ばれる腐食が進行し,建築物では鉄との接触による事例が多く見られます。これは2種類の金属の間で電池作用が生じ,電位の低い金属が腐食する現象です。完全に乾燥している場合には起きないのですが,海岸近くで塩分が多く含まれる場合や,降雨があった場合には溶液の中に浸されるのと同じ状態になるためアルミが鉄と直接接触しないように注意する必要があります(図9)。

・ステンレスの腐食

 ステンレスが錆びにくいのは,「不動態皮膜」と呼ばれる非常に薄い皮膜で表面が覆われ,内部が保護されているためです。しかし,ステンレスの表面が汚れてくると,錆が発生することがあります。また,ステンレスの上に鉄粉や鉄くぎなどを放置しておくと鉄の錆が移って,ステンレス内部まで腐食してしまうことがあります。これが「もらい錆」といわれる現象です。表面をきれいに洗い流すことで防止することは可能です。

・亜鉛メッキによる鉄の防錆機構

 鉄に生じるような錆を防ぐことを目的に,表面を種々の材料で被覆または保護する方法がとられています。代表的なものが亜鉛メッキです。亜鉛メッキの防錆機構の一つは保護皮膜作用です。これは,亜鉛メッキの表面にできる亜鉛の酸化皮膜が,空気や水を通しにくい安定した性質を持っていることを利用したものです。もう一つが,亜鉛メッキが自ら溶け出して鉄板を錆から守る犠牲防食作用と呼ばれるものです。亜鉛は鉄よりもイオン化傾向が大きいため,鋼板が錆びる前にメッキ層の亜鉛が錆びることによって亜鉛の水酸化物被膜が鋼板の表面を覆い,鋼板を守る役目を果たします(図10)。



図10 亜鉛メッキによる鉄の防錆機構


・アルミ-亜鉛合金メッキによる鉄の防錆

 このメッキの機構がさらに強化されたのが合金メッキ鋼板で,溶融5%アルミ-亜鉛合金メッキ鋼板と,55%アルミ-亜鉛合金メッキ鋼板(通称ガルバリウム鋼板)が製品化されています。
 5%アルミ-亜鉛合金メッキ鋼板は,同じ付着量の亜鉛メッキ鋼板の約2~3倍,溶融55%アルミ-亜鉛合金メッキ鋼板(ガルバリウム鋼板)は3~6倍の耐食性能を持っているといわれています。現在このガルバリウム鋼板やアルミ合金板が金属サイディングの主流となっています。
 図11は,これらメッキ鋼板に,基材の鉄まで達する×印の傷をつけ,紫外線と塩水による塩乾湿劣化促進試験を行った後の状況ですが,腐食の差が顕著に現れているのがおわかりいただけると思います。



図11 各種メッキ鋼板の耐食性



○ALC

 ALCと呼ばれる外壁材は,昭和50年代頃から普及してきました。これは主原料に微粉砕した硅酸(けいさん)質系原料・ポルトランドセメント・生石灰などの無機質材料を粉末にして水と混ぜ,アルミ粉末を添加して細かな気泡を作り,オートクレーブ養生して硬化させたものです。乾燥したALCは,耐久性や寸法安定性に優れており,ヒビ割れやソリなどの変形が起きにくく,遮音性や耐火性にも優れています。一方で,空隙の多さから水を吸いやすい材料であり,高含水率になると,凍害や炭酸化収縮ひび割れを生じる問題がありました。

 昔は,凍害を生じたこともありましたが,最近ではまれな現象といえます。これは,防水効果のある塗装や適切な水切りを配置するなど,吸水を抑制する設計上の配慮を十分に行うことを徹底させた効果といえます。また,万が一,吸水があった場合でも,ALCパネルは50mmと厚く,吸水速度が遅いので,凍害を生じる含水率になるまでに時間を要し,そのうちに暖かくなって乾燥してしまうようです。したがって凍害発生の危険性は,窯業系サイディングよりも小さいといえます。


○プラスチックサイディング



図12 プラスチックサイディング

 プラスチックサイディングはポリ塩化ビニル樹脂の成形材で,1965年にアメリカで製造が開始され,1996年頃から日本で販売されました。  原料の60%が天然塩で,40%は石油となっています(図12)。

 特徴は,耐久性に優れており凍害や錆の心配がない,雨仕舞がよく壁内が乾きやすい,軽量で施工がしやすい,手間がかからずメンテナンスが容易,環境性に優れることです。大部分の外装材は,その表面を守るために塗装が必要で,継目にはシーリング材を施す必要がありますが,プラスチックサイディングは,もともと顔料を練りこんで着色しているので多少の色あせはあるようですが,基本的に塗装の必要がありません。また,継ぎ目は重ねてあり,開口部まわりも専用材を用いたオープンジョイントになっているので,経年により劣化するところはほとんどありません(図12)。

 また,決して熱に強い材料とはいえませんが着火温度が455℃と高く,容易には着火しない材料の一つです。準防火地域並びに22条地域でも使用可能で,各メーカーが個別に防火・準防火の認定を取得しています。耐久性やメンテナンス性は大変良いのですが,色が10色程度で表面デザインが単調(下見板風のみ)であり,サイディングそのものには重厚感がありません。窓や屋根,エクステリアなどとの組み合わせによるデザイン性の向上が,普及の鍵となるのではないかと思います。


○無機塗装(セラミック塗装)



図13 シロキサン結合

 最近,無機塗装とかセラミック塗装という言葉が聞かれます。  これは,硬化するとガラスやタイルのように硬い塗膜が形成される塗装のことです。これらの塗装は大きく,水ガラス系とオルガノシロキサン系に分かれます。いずれもシロキサン結合(-Si-O-Si-)を生成し,樹脂と樹脂,樹脂と顔料をつないで強固な膜を作ります(図13)。

 一般の有機塗料では,炭素を中心とする原子の結びつきのエネルギー(350kJ/mol)が紫外線エネルギー(398kJ/mol)よりも小さく,紫外線を吸収するため,紫外線による劣化を引き起こし,白亜化やひび割れを生じます。しかし,シロキサン結合は,結合エネルギー(423kJ/mol)が高く,紫外線を吸収しにくいため耐候性は数段に優れます。
 このため,塗料の成分として,原子の結合エネルギーの高い成分を増やしていくことにより,紫外線に対する抵抗性が高まります。例えば,アクリルウレタン塗装やアクリルシリコン塗装などは有機のアクリルの中に耐候性の高い成分を加えた例です。

○光触媒



図14 光触媒

 光触媒とは,光を吸収することにより触媒作用を示す物質の総称です。  触媒とは,それ自身は変化しないで化学反応の速度を速くする(反応を促進する)物質のことです。その代表として酸化チタンが知られており,酸化チタンの光触媒作用として注目されているのが,「超親水性」, 「強い酸化還元作用(有機物質の分解作用)」,「抗菌作用」,「空気・水質浄化作用」です(図14)。

 特に,外壁分野で注目されているのが「超親水性」や「強い酸化還元作用」です。
 壁材の防汚効果のメカニズムは,酸化チタンコーティングされた外壁材の表面に太陽光(紫外線)があたると,表面に付いた汚れを分解し,さらに超親水性により水洗いで落としやすいというものです。酸化チタンコーティングは現場で比較的簡単にできるのですが,有機物に直接触れると分解してしまうので,有機塗料の上などに塗る場合は,しっかりとした絶縁が必要です。また,酸化チタンの混入率によって光触媒効果が異なります。更に,光触媒効果の評価法や評価基準,建築に用いた場合の耐久性などについてまだ未解明な部分が多いので,注意が必要です。

○これからの外壁材・木製サッシ

 これまでの大量廃棄型の社会経済活動により,CO2排出量の増大による地球温暖化,化学物質による環境汚染や生態系への影響,廃棄物の処理問題,環境問題が地球規模の課題として顕在化しています。北海道においても環境への負荷を低減し,持続的発展が可能な資源循環型社会を構築していくことが課題になっています。

 外壁材のみならず建築材料については,生産段階では省資源・省エネルギー,施工段階では省施工,運用段階ではメンテナンスや交換が容易であること,解体時には分別が容易でリユースやリサイクルが可能であることなど,環境に配慮した材料が,今後一層求められるものと思われます。

 その意味において,木製窓は,環境性に優れた製品ということができるのではないでしょうか。木製窓は,デザイン性にも優れ,かつ耐久性にも優れていると思います。
 序盤でも触れたように,メンテナンスを繰り返すことによって古さが一つの価値となるのではないかと思います。

 木製窓や外壁材にかかわらずメンテナンスはお金と労力がかかるというマイナスのイメージではなく,メンテナンスは価値が増すという意識をもっとアピールしていく必要があると感じています。

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