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林産試だより2007年9月号 特集「木のグランドフェア」 第15回北海道こども木工作品コンクールを終えて

●特集『木のグランドフェア』

第15回北海道こども木工作品コンクールを終えて

企画指導部 普及課 田戸岡 尚樹



 毎年恒例の北海道こども木工作品コンクール展は今年度も盛況のうちに幕を閉じました。当コンクールは道内すべての小中学校に作品の応募を呼びかけています。コンクールへの作品制作を通じて,こどもたちが木の良さを感じることができたり,想像力や工作技術が自然と向上することをねらいとしています。

 さて,第15回という節目を迎えた今回のコンクールでは,合計でのべ19校から174作品の応募がありました。これらの作品については,去る7月18日に有識者による審査委員会を開催し,17点の作品が最優秀賞以下各賞に選出されました。審査基準のポイントは,素材の特徴を生かした独創性,機能,デザイン,工作技術です。今回も子供たちが丹精こめて制作した力強い作品が多く,審査員も悩んだ末での選出でした。なお,最優秀賞の制作者には北海道知事賞が授与されています。

 これらの受賞作品を含めた全応募作品を,7月28日~8月26日までの約1か月の間,当場敷地内にある展示施設の「木と暮らしの情報館」に展示しました。期間中は約3_300人もの来館者があり,子供から大人までがすばらしい作品の数々に見入っていました。

 それではここからは各募集区分ごとに,受賞作品の紹介に移ります。


 木工工作個人の部




「わし」
札幌市立緑丘小学校
5年 渡辺 陸

 木工工作個人の部には計16作品の出品がありました。
 最優秀賞に選出された「わし」は,枝に止まっている鷲(わし)の様子を様々な部材をうまく組み合わせて表しています。審査員からは,木の表情をうまく引き出していて,生物としての表現についてもとても優れているといった講評がありました。








 優秀賞は2点で,木の枝と松かさを組み合わせて,空を飛んでいる姿をダイナミックに表現した「竜」,木とベンチでかわいらしく公園の様子を表した「公園の木」が選出されました。

左:「竜」
右:「公園の木」


 特別賞は3点で,木の円盤を様々に切って組み合わせてリスに見立てた「リスの遠足」,木の丸棒やヘラ,枝や板から切り出した材料を組み合わせて戦いの様子を表した「地球で対決!」,枝を組み合わせ着色した顔をつけた「飛ぶノコギリクワガタ」が選出されました。

左:「リスの遠足」
中央:「地球で対決!」
右:「飛ぶノコギリクワガタ」


 木工工作団体の部




「森の大運動会」
滝上町立濁川小学校3・4年
籠尾善大,谷内紳作,白戸 奏,平本泰樹,渡邊悠斗,
石橋一貴,平本春乃,保科遥香,井上富仁,奥田菜菜美


 木工工作団体の部には計12作品の出品がありました。
 最優秀賞に選出された「森の大運動会」は,木の枝を組み合わせて作った子供たちが,綱引きと玉入れをしている様子を一枚の方形の枠の中で表現しています。審査員からは,ダイナミックで動きが伝わってくる,団体作品としてチームワークが見えるといった講評がありました。




 優秀賞は2点で,ナキウサギの巣穴をファンタジー風に制作した「風穴~ナキウサギの住むところ~」,流木の小枝で理想の町を表現した「夢の黒松内~流木アート~」が選出されました。

左:「風穴~ナキウサギの住むところ~」
右:「夢の黒松内~流木アート~」


 特別賞は2点で,小枝,葉,松かさ,どんぐりなど様々な材料を使って怪獣がいる広場を表現した「さいきょうひろば」,同じくいろいろな材料で動物たちが遊んでいる公園を表現した「どんぐり公園」が選出されました。

左:「さいきょうひろば」
右:「どんぐり公園」


 今回木工工作の二つの部で選出された作品は,いずれもホットメルト接着剤を使用して制作されたものでした。この接着剤は簡単に材料を組み合わせることができるためいろいろな表現ができる反面,ねじや釘と比べると強度面で大きく劣り,接着が不十分だと部品がぽろりと落ちてしまうことがあります。姿を維持することは作品として最低限の条件なので,十分注意して制作する必要があります。また,本コンクールでは実用的な工作作品と美術的な表現作品の境はありませんが,それらの両方を備えた,工作の機能美が表れた作品にも期待が高まっています。


 レリーフ作品の部




「HAKUSAI」
厚沢部町立鶉中学校
3 年 庄山源太

 レリーフ作品の部は例年応募点数が多く,今年度は計146作品の出品がありました。
 レリーフ作品の部では指定材料として,赤く着色した接着剤で単板を積層したアート彫刻板(林産試験場開発製品)を使います。これを上手に彫り込むことで,接着層の赤色を効果的に使用したレリーフを制作することができます。
 最優秀賞に選出された「HAKUSAI」は,白菜をモチーフとして,しっかりと細かく立体的に彫り込んでいます。審査員からは,まるで実物のようにみずみずしさを感じるといった講評がありました。



 優秀賞は2点で,彫り込んで出した接着層の赤色を使い夕焼け空に飛ぶ鳥を表した「夕日」,ぶどうの粒を一つ一つ立体的に表現した「ぶどう」が選出されました。

左:「夕日」
右:「ぶどう」


 特別賞は3点で,水たまりに反射して映る月とそこにたたずむ人の足を表した「届かない月」,アイヌ語でマリモを表す言葉を表現豊かに彫り込んだ「トーラサンペ」,白亜紀に北米にいたといわれている恐竜をモチーフとした「スティラコサウルス」が選出されました。

左:「届かない月」
中央:「トーラサンペ」
右:「スティラコサウルス」


 レリーフ作品の部は,毎年必ず応募するよう授業で取り組んでいる学校もあり,立体表現や色の使い方などの技術レベルが年々上がってきています。一方で,アート彫刻板の特徴を生かしきれていない平面的な作品も多かったのですが,来年度もコンクールに継続して取り組むことで,表現力の向上が見られることを楽しみにしています。

 15回目の開催を終えた北海道こども木工作品コンクールですが,来年度以降も継続して開催する予定です。森林資源が豊富な北海道の特色を生かして,全道の小中学生からのこれまで以上に積極的な応募を期待しています。

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