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年頭のごあいさつ


北海道立林産試験場長 浅井 定美





 2008年の年頭に当たり皆様には,明るい新春を迎えてのごあいさつとともに,昨年,私ども林産試へ賜りましたご支援に心から御礼申し上げます。


 本年は京都議定書の第一約束期間に入るとともに,7月には環境を主な議題とする北海道・洞爺湖サミットが開催される年です。
 地球温暖化ガスを削減し,京都議定書を遵守する行動が全国民,全産業をあげてようやく活発になってきました。
 昨年11月のIPCCの第4次報告は,特に今後20年から30年の緩和努力と投資が温暖化問題の解決の鍵であるとし,2013年に始まるポスト京都の枠組み設定の方向だけでなく,環境に貢献する新たな経済活動のありかたを強く示唆しました。年末のCOP13のバリ会議は,私たちの生活行為や企業活動,国家政策こそが地球環境のありかたを決めるとの見方が今や世界市民の共通認識となったこと,また,それらの制御は,平和の追求とともに人類の存続に関わる最高の価値基準となりつつあることを鮮明にしています。

 しかし,温暖化の防止を担う日本の森林をよくするには,国産材の利用や林業・木材産業の復興が不可欠であるとの事実認識は,残念ながら,まだ,広く国民のものにはなっていません。森や木の良さ,たいせつさは理解されていても,実際にはいろいろな理由で,国産材ではなく輸入品が選ばれ,鉄やRCが使われています。健康にも環境にも良い,それだけでなく,やはり快適・便利・安全・安心でなくては,「おすすめ」にも「お買い得」にもならない。現実の購買行動は,あれこれ引っくるめ,こうした経済合理性が決するというのが実感です。

 市場や消費者の求めにこたえ,必要な品物を,必要なときに必要なだけ,合理的な価格で供給し,森林の資産価値を上げる。そういう取引実績をひとつでも多くつくる。林業・木材産業の長い低迷からの出口は,結局そういうことに尽きるのでしょう。能書きだけでなく,実際に取引にならなければ無意味です。

 供給者主権から消費者主権,顧客重視,ユーザー立脚への流れは,公設試の試験研究でも同様です。折からの財政難も背景に,費用対成果,コスト感覚が重視され,どの研究機関も広く道民にその活動の経済合理性,つまり「お買い得」なことを納得していただくことがとても大事になっています。

 当林産試験場が,「林産業の興隆のため」設置され今年で58年。
 19年度は56件の試験研究課題に取り組み,日夜努力を重ねていますが,なお十分ではありません。経済合理性の追求は,逼迫する財政への対処のためだけではなく,専門性の強化やマネジメントの確保などとともに,資源の最適配分と最高活用でよりよい暮らしを求めるという時代の深い流れそのものです。

 当場はそのように考え,木材産業・関連業界の,「次」「その次」「さらにその次」の課題をあらゆる角度から掘り起こし,基礎から応用,短期から長期に至る不断の技術革新で北海道の森林・林業・木材産業の成功をたくましくラッセルする。そうした決意をもって,今後とも皆様に役立つ試験研究を着実に推進します。

 木づかいを最大の環境貢献,経済貢献に。森林の資産価値を最大に。
 旧年に倍するご支援ご理解ともども,さらなるご注文をお願いいたします。
 2008年が輝かしい年となりますよう。皆様がご健勝でありますよう。


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