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Q&A 先月の技術相談から

ラグスクリューの引抜耐力


Q:ラグスクリューを引き抜く方向に抵抗させる場合,引抜耐力はどのくらいありますか?


A:ラグスクリューは先端をとがらせたねじ式の六角ボルトです(図1,写真)。


図1,写真 ラグスクリューの形状

 ラグスクリューは本来はせん断力を負担させるために用いられますが,引き抜き力にも抵抗させることができます(図2)。


図2 ラグスクリューはせん断力と引抜力を負担

 ラグスクリューの許容引抜耐力は,以下の式に示すように,ラグスクリューの胴部直径とねじ部の長さ,打ち込まれる木材の比重から計算される値に,荷重を負担する期間および使用環境または含水率条件に応じた係数をそれぞれ乗ずる必要があります。

式

 ここで,Pw : 引抜耐力(N),ρ:木材の気乾比重,d:ラグスクリューの胴部直径(mm),l ':木材にねじ込まれたねじ部の長さ(mm)。

 木材の比重はに示す値を用いることができます。例えば,径12mm・長さ110mm(ねじ部長さ66mm)のラグスクリューをトドマツ(比重0.32,気乾材)に打ち込んだ場合の長期引抜耐力は2066(N)となります。

 なお,引き抜きの場合の破壊性状はねばりに乏しいため,構造耐力上重要な部分に使用することは望ましくありません。もし使用するのであれば,余裕を持たせた径または長さのものを選定して下さい。
 また木口に打ち込んだ場合は引き抜き力には抵抗できないと考えてください。

 また,ラグスクリューを使用する場合は適切な先穴をあけることが重要であり,原則として胴部用とねじ部用の2 段階で先穴をあける必要があります。
 胴部の先穴の径は胴部の径と同一とし,その長さも胴部と同一とします。
 ねじ部の先穴の径は,樹種グループJ1でねじ径の60~75%,その他の樹種グループでは40~70%とし,その長さは少なくともねじ部の長さと同一にします。

表 基準比重と対応樹種
表 基準比重と対応樹種

       参考資料:「木質構造設計規準・同解説-許容応力度・許容耐力設計法」(日本建築学会)

(性能部構造性能科 戸田正彦)

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