●特集『平成20年 研究成果発表会』
林産試験場では平成17年度に,これまで製造に手間がかかるため高価であった“わん曲集成材”について,効率的に量産可能な製造方法と製造装置を開発しました。
平成18年度には,その用途開発として,量産可能な小断面わん曲集成材と小断面通直集成材を活用し,レイアウトの自由度向上,設置作業や解体作業の負担軽減,デザイン性の向上を図った間仕切り壁やパーティション,会議用ブースなどを構築するための組立式ブロックの開発を行いました。
製品開発にあたり,小断面わん曲集成材に対するニーズが高い分野や具体的な用途等について市場調査を実施した結果,オフィス家具分野におけるパーティションの潜在需要は,全国規模で1,000億円と推定されました。
これを受けて,本研究では,オフィス家具分野での用途が見込まれる“パーティション”のデザイン開発を行いました。
○わん曲集成材と通直集成材を使うことで,自由なレイアウトの組み立てが可能
○設置や解体の作業が容易
○ブロック形状とすることで材料の加工が容易
○スリット幅を自由に変更したり,アクリルパネル等の異種材料と組み合わせることが可能
○コーナー部の継ぎ手が不要
○脚材を用いることなく自立可能
○木材との融合により,優しさ,柔らかさ,軽快さなどの意匠を表現することが可能
今回開発した製品は,オフィス用の家具としてだけではなく,店舗や公共施設,そして一般家庭用としても利用できるものと考えており,今後は実用化へ向けた検討をさらに進めていく予定です。