●特集『平成20年 研究成果発表会』
近年,地球温暖化問題や人工林の成熟などを背景に,地域材住宅の普及推進のための取組が広がっています。道内でもカラマツ等の人工林材を使った地域材住宅建築が近年増加しており,北海道水産林務部の調べでは道産カラマツを構造材に使った住宅が平成19年年度末で1700戸を超えています。今回,上川北部管内においても地域材住宅普及推進のためにパネル展を開催し,その中でエンドユーザーの地域材住宅に対する意識調査を行ったので報告します。
平成19年8月2日~3日に剣淵町道の駅「絵本の里けんぶち」において地域材住宅のパネル展を開催しました。
地域材を使用することの意議や道内各地での地域材住宅の実例などをパネル展示し,また木造住宅の構造模型や実際の構造材のサンプルを置き,一般の方々に地域材住宅のアピールをしました。
開催当日は夏休み中ということから家族連れのお客さまを中心に多くの方が訪れ,約500名の方にパネル展を見ていただくことができました。
パネル展ではアンケートを実施し,一般の方々の地域材住宅に対するイメージを調査しました。アンケートには225名から回答をいただきました。
木造住宅のイメージについては年齢が進むほど良いイメージを持っていることがわかりました。また回答者の約9割が道産材を含む国産材住宅に住みたいと考えていることもわかりました。その理由としては「産地が信頼できる」が6割以上を占めていました。
地球温暖化・京都議定書の認知度は高いのですが,地域材住宅の取組についてはあまり知られていないこともわかりました。
アンケート調査の結果, 地域材住宅を推進するには
◎セミナーなどを開催して木造住宅への見識が低かった以下の層へアピールする必要があります。
●年齢 ~ 若い世代の人(40歳以下)
●職業別 ~ 農業・水産業,主婦,学生
◎また子供のころから山や木に親しむ森林教育「木育」の推進が必要だと考えられます。
◎地球温暖化問題への関心は高そうなので,地域材住宅でCO2排出抑制に貢献できるということをもっとPRしていくことが重要と考えられます。