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 ●特集『平成20年 研究成果発表会』

地域材住宅推進に向けての取組
PART2 ~ 建築促進に向けてのネットワーク化の取組~

北海道上川北部森づくりセンター普及課 中村 秀壽

 はじめに

 地域材住宅に関する意識調査の結果から,回答者の約9割が道産材を含む国産材住宅に住みたいと考えていることがわかりました。
 それでは,エンドユーザーが地域材で住宅を建てたいと思った時に,それを供給する体制がその地域に整っているのかというと,はっきりとしたことはまだわかっていないというのが現状でした。
 そこで上川支庁管内の士別地区(士別市,和寒町,剣淵町)において地域材住宅の供給が可能なのか調べるため,「川上」(森林所有者)から川下(建築会社)までの聞き取り調査を実施し,その結果をもとに地域材住宅の供給体制整備に向けたネットワークづくりを進めたので,その取組を報告します。


 聞き取り調査の実施

 士別地区の森林所有者,造材業者,製材工場,工務店等を戸別訪問し,地域材住宅推進の可能性と問題点について聞き取り調査を行いました。
●森林所有者からは最近カラマツが住宅の構造材として使用されていることを知らないという意見や集成材というものを初めて見たという意見があり,自分の山の木が住宅に使われるのならば嬉しいという意見がありました。
●工場関係者からはこの地域に森林資源があるか疑問だ。安定供給は大丈夫なのか,などの声がきかれました。
●建築関係者においてはカラマツ集成材を見たことがないと答えた会社が半数近くありました。建築材の産地については,建築関係者のほとんどが製材工場などに注文しているので,判明しないと答えています。


聞き取り調査を実施


 意見交換会の開催

 聞き取り調査の結果を踏まえて,昨年12月に士別市で「川上」から「川下」の人々を集め「地域材住宅に関する意見交換会」を実施しました。
 意見交換会では,情報提供として地域材住宅パネル展でのアンケート結果の分析結果と士別地域の森林資源内容,また森林所有者の同意を得た,住宅の構造材として提供できる森林の情報,地域材を扱うことのできる製材,集成材,プレカット工場を樹種別で紹介しました。
 また下川町で地域材住宅を手がける建築会社社長からの取組紹介もありました。 意見交換会は聞き取り調査で聞いた疑問点を解決するような内容としたので「地元の木材を地元の工場で加工し,地元の工務店で住宅を建築する」というこの取組に対してさらに理解を深めてもらえました。
地域材住宅普及推進に前向きな意見が多かったことから具体的なネットワークづくりに向けて,各関係者の代表による継続協議を行うこととしました。

意見交換会の開催


 ネットワークの構築へ向けて

 これを受けて,今年2月に各界代表者による懇談会を開催しました。意見交換会の中で地域材住宅普及推進に前向きな意見が多かったことから具体的なネットワークづくりに向けて,各関係者の代表による協議会を設置し継続的に話し合っていくこととしました。
 今後の展開として
●建築関係者がエンドユーザーに対して積極的に地域材住宅を薦めていく
●カラマツの製材,集成材,プレカット工場の見学会を開催する
●近隣の地域材住宅に関わる団体と見学会やセミナーを通じて情報交換していくこと
 この3つを柱として活動していきます。

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