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 ●特集『平成20年 研究成果発表会』

森林バイオマスの熱処理による機能化と,畜産施設,農地での利用の試み

利用部化学加工科 本間千晶

 研究の背景・目的

熱処理により未利用バイオマスに優れた機能を付与し資源循環を可能に


 研究の内容・成果

・熱処理技術を応用した,未利用森林バイオマスの機能化

 これまでに開発した熱処理技術(熱処理に伴い生じる化学構造変化を利用することにより,薬剤を用いず機能性材料に変換)をより大きなスケールの装置に適用し,製造した熱処理チップのアンモニア吸着材,土壌改良材としての利用を試みました。
 300~400℃処理チップでは,所定の条件による吸着試験において,開始1時間後でアンモニア残存率が1%以下となるなど,極めて高い吸着性能が示されました。

熱処理チップの一例 図1 アンモニア吸着試験結果

・畜産施設等で吸着材として利用

 畜舎堆肥化槽(約800ppmの高濃度のアンモニアが発生)および鶏舎(アンモニア濃度は1~3ppm)において,それぞれ1週間と4週間,熱処理チップの吸着性能評価を行いました。
 その結果,資材通過後のアンモニア濃度はほぼ0ppmとなり,また,鶏舎では試験終了まで効果が持続することがわかりました。


図2 畜舎堆肥化槽および鶏舎での吸着試験結果

・アンモニアを吸着した熱処理チップを土壌改良材として再利用

 野菜(アスパラガス)、花き(アルストロメリア)による施用試験を行った結果、品質、収量とも堆肥と同等でした。
 さらに、排水性、通気性や保水性の増加などの土壌物理性改善効果が堆肥に比べ高いだけでなく、効果が長続きすることが認められ、土壌改良材として優れた適性を有することが示されました。


図3 アルストロメリアとアスパラガスの生育状況


 今後の展開

 以上の結果から,森林バイオマスの機能化技術,吸着材および土壌改良材としての効果が明らかになり,資源循環を含めた総合的な機能化・活用技術が確立されました。
 今後はこれらの技術の,道内の林産関連企業,畜産農家・堆肥製造企業等,農業分野等への普及に向けた取組を行います。

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