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「NHKおはようもぎたてラジオ便-北海道森物語-」林産試版



 林産試験場の職員がNHKのラジオ番組に出演し,提供した最新の研究情報について,番組でのやり取りを再現してお伝えしています。

(担当:企画指導部普及課)



北海道型ペレットストーブの開発と普及
出演:企画指導部デザイン科長 小林裕昇
放送日:平成20年9月10日(水)



 木質ペレットは「カーボンニュートラル」なエネルギー


NHK  今朝のテーマは,平成19年12月に発売が開始された「北海道型ペレットストーブ」の開発と普及についてです。林産試験場がストーブの開発に関わったということですが,なぜ木材を研究している林産試験場が「ストーブ」なのでしょうか?
小林  林産試験場では,木質資源の有効活用の一環として「木質ペレット」の研究を進めてきました。
NHK  木質ペレットといえば石油に替わるエネルギーとしてこのところ大変注目されているものですよね。まずはそのペレットの説明からお願いします。
小林  木質ペレットは,もともと大気中のCO2を光合成により吸収固定した木材から作られています。燃やして大気中にCO2を放出しても,差し引きで大気中のCO2総量は変わらない,とみなすことができる「カーボンニュートラル」なエネルギーです。暖房用エネルギーを化石燃料から,この「木質ペレット」に転換することでCO2削減に大きく貢献するものと考えられています。
 そこで,ペレットの安定的な消費につながり,なおかつ利用者数の拡大を見込むことのできる家庭向けの暖房機器にねらいをしぼり,FF式ペレットストーブをメーカーと共同で開発しました。

ペレットストーブの写真


 家庭用サイズに小型化し,ペレット投入を楽にした「北海道型」


NHK  木質ペレットはおが粉を固めたものですよね。そのペレットの特性を知り尽くし,次のステップでストーブの開発・改良を進めたということのようですが,改良のポイントはどのようなところでしょうか?
小林  一般にペレットストーブは燃料のペレットを内蔵式にしているためにちょっと大きめにできています。そこで「北海道型」では,ストーブ本体の奥行を35cmと小さくすることで室内側に大きく張り出さないように,また,高さも70cmと低く抑え,一般的な腰壁のある窓の前にも問題なく設置できるようにしています。
NHK  まずは小型化をはかったということですね。
小林  また,ペレットを補給するときの身体的負担が軽くなるよう,人間工学的な評価法により検討を重ね,ペレットタンク投入口の位置や形状を工夫しています。


 石油ストーブのFF式給排気筒がそのまま使える「北海道型」


小林  さらに,給排気筒は,FF式石油ストーブと同じものを採用しています。このため,新たにストーブを取り付けるときも,あるいは,今使っている石油ストーブを買い替えるときにも,FF式であれば全く同じ要領で設置ができます。
NHK  FF式の石油ストーブを使っていても,今すぐにペレット用に替えることができるというのは予想外でした。大きなメリットですね。


 火力調整機能,気密性を向上させた「北海道型」


NHK  小さくしたメリット,楽ができるメリット,今の給排気筒が使えるメリット,ということですね。「北海道型」にはそのほかにどのような特徴があるのでしょうか?
小林  これまでのペレットストーブは,火力調整が大・中・小などのように,おおざっぱなものがほとんどでした。その点「北海道型」では,石油ストーブと同じように火力調整ができるようになりました。室温と設定温度の差により燃焼量が自動調整されるものです。
NHK  こまかい温度調整ができると思ってよいのですね。ただ温度設定をしてもすぐに設定した温度に達するものかどうか気になるところですが?
小林  ペレット燃料は固形ですので,石油のようにパッと火が大きくはならないのです。そこで「北海道型」は,じわじわとではありますが,設定温度にレスポンス良く火力が追従し,室内の温度調整ができるよう温度制御能力の向上を図ったところです。
NHK  FF式ということで,室内をそんなに汚さないのもメリットですよね。
小林  「北海道型」では,給排気式の燃焼用送風機を採用し,燃焼室内を負圧とする「密閉式」ですから,室内の空気を汚すことはありません。また,ペレットのタンクや灰取り用の開口部などについても気密性を確保するよう工夫しています。「北海道型」は,近年の高気密高断熱住宅への設置に適した製品となっています。


 売れ行き好調,メーカーは増産体制に


NHK  「北海道型」が発売されて2シーズン目を迎えますが,反響などはいかがでしょうか?
小林  「北海道型ペレットストーブ」は,平成19年の遅くにメーカーの札幌工場で組み立てられ,12月26日に販売が開始されました。本格的な製造を始めたのは今年の6月です。原油高の影響もあり,売れ行きは好調なようです。冬に向けて,これからという時期なので,メーカーでは増産について検討を進めているとのことです。
NHK  「北海道型ペレットストーブ」が普及することで,ペレット利用が拡大すればCO2の削減が進むということですね。(以上)

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