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行政の窓

木材・木製品の貿易動向について


【 我が国の木材貿易 】

 我が国の木材輸入額は,林野庁「2007年木材輸入実績」によると,紙・板紙類,パルプを除き,平成19年13,944億円(前年比101%)とほぼ前年並みとなった。
 国別輸入額は,中国が最も多く1,838億円(前年比101%),次いでマレーシア1,800億円(前年比90%)で,オーストラリアはチップ輸入が増えて20%以上増加した。
 品目別輸入量及び輸入額は,丸太が897万m3(前年比85%)2,070億円(前年比97%),製材は735万m3(前年比86%)3,104億円(年比98%)で丸太,製材ともに輸入量が減少した。特に,北洋材は丸太輸入の45%を占め,樹種別ではカラマツ259万m3,モミ・トウヒ(エゾマツ・トドマツ)42万m3が輸入されている。


【 ロシア丸太輸出税引き上げの影響 】
 北洋材は,ロシア国内の木材加工の推進を目的とした丸太輸出税引き上げにより,貿易の転換期を迎えた。
ロシア丸太輸出税の引き上げに対し,中国,フィンランド,日本等の民間による工場建設への投資が始まっている。
 日本政府も,平成20年8月の日露農相会談等,様々な機会を捉え輸出税引き上げの撤回等をロシアに申し入れているが,一方で国産材の利用が増加し,国産材自給率は平成19年22.6%と平成10年並みまで回復した。


【 北海道の木材貿易と道産材供給率 】
 平成19年北海道の輸入実績は,紙・板紙類や木材製品を含め965億円(前年比111%),品目別はチップが35%を占め335億円(前年比138%)と増加の一方,丸太89億円(前年比95%),製材163億円(前年比95%)で軒並み減少した。この背景には,ロシア丸太輸出税引き上げ,船運賃等の上昇,産地価格の高騰等の他,道内では道産広葉樹チップの減少や住宅着工の減少等の理由が指摘されている。輸出税問題を契機に,カラマツ等の道産材の利用が増え,平成19年度の道産材供給率は前年度に比べ0.7%上昇し52.7%となった。

図 平成19年木材・木材製品輸入額


【 北海道の丸太輸入 】
 丸太輸入量は,平成11年以降減少傾向にあり,平成19年は327千m3前年比84%,平成20年上半期も前年同期比53%と輸入量の減少傾向は止まらなかった。
 北洋材は,平成19年172千m3と平成11年の5分の1以下まで減少,平成20年1月の輸出税の再引き上げもあり,平成20年上半期の輸入量は前年同期比37%まで落ち込んだ。米材は,原油高,船舶不足等による船運賃高騰や米国の木材市況の低迷等が出材意欲の低下を招いて漸減傾向が続き,平成19年107千m3前年比91%,平成20年上半期は前年同期比62%まで輸入量は減った。南洋材も,需要減等により平成19年33千m3前年比62%と漸減傾向が続いているが,平成20年上半期は,道内工場の操業再開等もあり,前年同期比164%と大幅増に転じた。

表 北海道の丸太輸入量

図 丸太輸入量の推移


【 針葉樹製材の輸入 】
 針葉樹製材の輸入量は,35万m3前後で推移してきたが,平成19年は平成10年来初めて30万m3を下回り前年比79%,平成20年上半期さらに減少傾向が続き,105千m3前年同期比53%となった。
 主要国別では,ヨーロッパからの輸入が初めてカナダを上回った。しかし,平成20年上半期にはカナダから2×4用材等の輸入が増え,カナダのみが輸入量を増やしている。一方,ヨーロッパは,産地の原料高や急激なユーロ高等から,主要輸入国のスウェーデン,フィンランド,オーストリアが軒並み輸入量を減らし,平成19年は144千m3前年比83%,平成20年上半期も前年同月比29%と激減した。

表 針葉樹製材輸入量

図 針葉樹製材輸入量の推移

表 ヨーロッパ主要国別輸入量


【 構造用集成材の輸入 】
 構造用集成材の輸入量は,住宅着工戸数の減少等もあり,平成19年は前年から約10千m3減の27千m3で前年比74%,平成20年上半期は減少傾向が一層強まり前年同期比44%となった。これは,輸入量の77%を占めるヨーロッパのうち,フィンランドが産地のコスト高やユーロ高の影響,ロシア輸出税問題等により,前年比44%と激減したことによる。
 一方,平成19年は5千m3前年比112%と増加し,年々輸入を増やしてきた中国も,平成20年上半期は前年同期比30%と大幅減となった。

表 構造用集成材輸入量

図 構造用集成材輸入量の推移

 円高,ユーロ安が短期間で進み,輸入しやすい環境もでてきたが,住宅着工は低迷しており,為替変動が輸入増に直結する情勢にはなく,国内の景気回復が輸入動向を大きく左右する要因となっている。

(水産林務部林務局 林業木材課林業木材グループ)

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