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年頭のごあいさつ「激動の時代に」

北海道立林産試験場長 浅井 定美

 2009年の年頭にあたり,北海道立林産試験場に賜りました昨年のご支援に心から感謝するとともに,本年も変わらぬご指導,ご鞭撻をお願い申し上げます。

 激動の時代です。

 昨年,世界経済は前年からの原油の高騰など資源インフレで幕をあけ,後半は米住宅バブル崩壊,サブプライムローンの破綻,世界金融危機の急進により,年末には各国同時不況へと暗転しました。わずか一年で,供給不足から需要不足へ,インフレからデフレスパイラルの危機へと急転換しました。各国が協調して対策に取り組んでいますが,先行きは予断を許しません。

 我が国の林業・木材産業についてみると,昨年は,合板原木の需要増もあって外材から国産材へのシフトが大きく進み,原木,製品とも値戻しが始まり,加工用丸太の総供給に占める国産材の割合は70%が視野に入って,「国産材」復権,林業再生に大きく前進しました。

 一方,川上では素材の供給安定,間伐の停滞と伐採跡地への対処,川下では国産材取引への新規参入が増えて「争奪戦」となるなか,外国製品と戦える商品づくり,流通体制の整備など,「国産材産業」の課題も鮮明になっています。

 全体に,昨年は,林業・木材産業の将来に光がさしてきた年でしたが,道産カラマツの移出増のように,本道はじめ各地の「地域資源」は全国資源へと位置づけをかえつつあり,本道の林業・木材産業の生き残りの方策が問われた年でもあります。

 道内の林産業は,大径化しつつある人工林材の時代を迎え,優れた乾燥技術を軸として新たな商品流通を創造し,大きな国際競争力をもつことが期待されます。

 林産試験場は,これまでさまざまな研究を進め,特にここ数年は知的財産権の出願,競争的研究資金の獲得などで着実に実績をあげてきましたが,むろん十分ではありません。

 雇用や出荷額の増大,森林の資産価値,立木価値をより高めるという究極の目的に照らしては,第1に輸入製品に代替された住宅構造材など建築材の需要の失地回復,第2に建材,家具建具などで安全で安心,快適な,高付加価値の製品開発,第3に資源の循環をめざす森林バイオマスの合理的利用の取組を進めることが重要です。私たちは,この一年,こうした課題を集中的に検討し,具体的に各種の研究を開始するなど,すでにあらたな一歩を踏み出しました。

 道は平成22年度から,22の道立試験研究機関を単一の独立行政法人とし,各機関の運営のさらなる効率化を目指します。当場は,こうした動きに即応しつつ,設立から59年の蓄積と成果を生かし,今年も日々新しい領域に挑戦しつづけます。

 本年も皆様とともに歩み,発展していけるよう,さらなる技術革新で北海道の森林・林業・木材産業を後押しする試験研究を推進していく決意ですので,林産試験場に皆様のお力添えをよろしくお願いいたします。

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