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「大阪ウッドテクノロジーフェア2008」への出展

企画指導部 普及課 渡辺誠二


 はじめに


 去る平成20年11月6日(木)~9日(日)の4日間にわたり,大阪市住之江区にある「インテックス大阪2号館」で「大阪ウッドテクノロジーフェア2008」が開催されました(写真1)。
 同フェアは隔年で開催され,主催者発表では今回の出品者数は91社(展示小間数298小間),4日間の入場者数は15,617人でした。
 林産試験場では,同フェア運営委員会からの要請もあり,木材大消費地の一つである大阪圏で道産材利用拡大の契機となると考え,研究成果の出展を行いました。
 関西での出展は当場にとって貴重な経験でしたので,印象に残ったものを中心に同フェアの様子や出展の状況をご紹介します。

写真1 大阪ウッドテクノロジーフェア会場

 大阪ウッドテクノロジーフェアの構成


 同フェアの全体構成は,最新の木材加工機械等を利用者に広く紹介する「ウッドマシニング」が主展示となり,木材利用に関する先端の技術や木材関連の知識や情報を提供する「ウッドワンダーランド」が併設展示されました。
 「ウッドワンダーランド」は「木楽市(きらくいち)」と「ウッドサイエンス」で内容が構成されており,「ウッドサイエンス」は更に「木の科学」,「木の技術」など5部門に分かれています(図1)。

 林産試験場は,「ウッドサイエンス」の「木の技術」部門で「北の大地,北海道からウッドテクノロジーのメッセージ」のテーマで出展しました。

図1 大阪ウッドテクノロジーフェアの構成

 「ウッドマシニング」

 いわゆる木工機械展ですが,一般市民が日曜大工で使う木工機械や道具から,木材産業用の大規模な加工装置まで,木材に関する機械が幅広く出展されていました(写真2)。
 筆者は木工機械展は初めてでしたので他の機械展の様子はわかりませんが,この機械展ではどの展示ブースにも商談スペースが設けられており,来場者に機械や技術を見てもらうだけでなく,即商談を成立させるという姿勢に強い印象を受けました。

写真2 ウッドマシニングの様子

 「木楽市(きらくいち)」

 一般市民向けの企画で,家具や木工クラフト,カヌー,ギター,木製万年筆など,木材を使って生業を営んでいる各工房から様々な作品が出展されていました(写真3)。
 こちらも展示とともに即売がされており,来場者は日ごろ近隣では手に入れることができない木工品を熱心に品定めしていました。

写真3 木楽市の様子,カヌー工房の展示

 「ウッドサイエンス」

 5部門に分類され,木材の基礎的な知識や一般市民にも興味ある情報から,企業の生産現場で必要となる専門的な情報まで内容の濃い出展となっていました。
 関西方面でもその地域の木材を使う動きが盛んで,中でも大阪の「NPO法人もく(木)の会」の展示では,スギ材を使った住宅構造のミニチュアを実物として展示し,来場者に実感として地域材の良さがわかる工夫が施され,特に目を引きました(写真4)。
 また,「もく(木)の会」の展示に「木育」の言葉が掲げられており,北海道発の取り組みが全国に浸透していると認識しました。

写真4 NPO法人,もくの会の展示

 林産試験場の展示


 林産試験場では,機械展がメインとなる展示会であることや一般市民への普及も考え,中小断面わん曲集成材製造装置,内装用トドマツ合板,北海道型ペレットストーブについて,パネルやパソコン動画による展示を行いました(写真5)。

 来場者の反応は,大阪という大都会にもかかわらず木質ペレットやペレットストーブへの質問が多く,筆者らにとっては意外であったとともに,二酸化炭素排出削減について住民の意識が高まっていることが実感されました。
 木質ペレットの取り組みは各県単位では動きがあるようでしたが,関西圏全体として広域的取り組みはなされていないようで,情報も地域によって濃淡があるようでした。その点では,広域でありながら単一自治体である北海道は,木質ペレットが浸透しやすい環境にあると感じました。

写真5 林産試験場の研究成果の展示

 おわりに


 関西での出展を経験してみて,地球温暖化防止のため一般市民の森林への関心が高まっていると実感しました。こういう情勢の中,広大な森林をもつ北海道は日本にとって重要な役割を担っています。
 しかしながら,一般市民の来場者の中にはトドマツのことを知らない方が多く,道産材の本州への市場拡大のためには,カラマツ・トドマツなど道産主要樹種を,まずは知ってもらうことが必要と感じました。

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