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カラマツ大径材からの建築用材生産技術の検討

技術部 製材乾燥科 北橋善範


 はじめに


 現在,道内のカラマツ林から出材される原木の径は30cmを超えるもの(大径材)が増えてきています。その多くは大径の利点が生かされず小割りの輸送用材などとして利用されていますが,今後は付加価値の高い建築用材としての利用が期待されています。
 そこで林産試験場では道産カラマツ大径材を有効活用するための製材・乾燥方法について,平成21年度より3か年の計画で研究をスタートさせました。その前段として,20年度に実際にカラマツ大径材を用いて試験挽きおよび人工乾燥を行いましたので,その結果についてご紹介します。

 カラマツ大径材の木取りについて


 今回の試験におけるカラマツ大径材木取り例を図1に示します。今回の試験に用いたカラマツ大径材(計15本,径:36~52.5cm,十勝産)は,全て,原木一本一本を丁寧に検査したのち,芯の位置や曲がりなどを確認しながら,あらかじめ想定される木取り図を木口に描き,製材を行いました。

図1 カラマツ大径材木取り例

 製材試験について


 製材試験は全て当場にて行いました(写真1)。知識と経験を兼ね備えた製材オペレーターと共に,あらかじめ木口に描いた図を元に,材料に鋸を通す度に材内部の芯のずれや節,曲がり等を確認し,最適と思われる鋸断位置を探りながら,図に修正を加えつつ丁寧に製材を行いました。

写真1 製材試験の様子

 人工乾燥について


 人工乾燥試験も全て当場にて行いました。1回の試験で約2m3程の材料を人工乾燥しました。写真2は人工乾燥前の様子,表1はその時に用いた乾燥スケジュールです。梁材の寸法は厚さ120×幅295×長さ3,650mmで,人工乾燥にかかった時間は最後の冷却工程を含め計233時間でした。

写真2 人工乾燥試験の様子,表1 乾燥スケジュールの一例

 製材品と歩留まりについて


 本試験で得られた製材品について,一例を表2に示します。計15本の原木を製材・乾燥し,最終的な歩留まりは49.6%,最小径が42cmを超える原木(7本ありました)からは全て心去りの平角材が取れるなど,なかなか良い結果が得られました。

表2 製材結果の一例

 今後の展望


 研究はまだスタートしたばかりですが,道産カラマツ大径材の建築用材としての需要とその販路拡大の一助となるよう研究を進めていく予定です。

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