本文へ移動
 

職場紹介

きのこ部 生産技術科

 生産技術科では道産きのこの付加価値を高める栽培技術の改良や北海道に適した品種(道産品種)の育成を行っています。これまでにマイタケ(写真1),タモギタケ(写真2),野生型エノキタケおよびムキタケ等の品種を開発し,そのうち一部は品種登録しています。また,今後はきのこの第3の機能といわれている生体調節機能(機能性)や食味に特徴をもった新たな道産きのこの開発も進める予定です。

写真1 マイタケ「大雪華の舞1号」,写真2 タモギタケ「エルム・マッシュ254」

 最近の研究内容


(1)糖脂質を主とするきのこの機能性成分の効率的生産技術と加工技術の開発
 これまでの生産効率を重視した栽培技術の開発・改良に加え,新たな視点として,きのこの機能性に着目した研究を行っています。一例としては,道産きのこから,セラミド含有量が多いきのこの選抜があります。糖脂質の一種であるセラミドには皮膚の保湿作用や,抗アトピー効果が報告されています。この研究では栽培期間が短いタモギタケの品種(写真2)が他のきのこに比べ,セラミドを抽出する材料として優位であることがわかりました。また,選抜したタモギタケの栽培方法を変えることにより,さらにセラミド含有量を高めることができました。このきのこから抽出されたセラミドは化粧品(写真3)やカプセルタイプの健康食品として実用化されいます。

写真3 セラミドを活用した化粧品

(2)他機関との連携
  (1)の例は北海道の重点研究として,食品加工研究センター,北海道大学,民間企業と連携して行った研究です。食品加工研究センターでは道産きのこを機能性別のグループに分け,健康食品の素材としての特徴づけや優位性等を明確にしました。北海道大学では,きのこの抽出物をラットに与え動物体内での機能性の効果の実証を行いました。また,民間企業では,実際の健康食品の製造工程を確立しました。このように,産学官が連携し,素材生産から製品開発にまで結びつけることができました。

(3) その他道産きのこを利用した機能性等に関する研究  アンチエイジング(抗加齢)に関連して新たなきのこの栽培,きのこの菌糸の利用およびきのこの廃菌床の利用等についても,新たな着眼点をもって取り組みを進めています。

 技術支援


 生産技術科では,関係部署と協力しながら企業や一般の方からのきのこ栽培に関する技術相談に応じています。また,冊子などで栽培技術に関する知見や情報の紹介を行うとともに,道内企業に栽培技術等の支援を行っています。

 研究設備


 研究用の栽培施設として大型の恒温恒湿室,きのこの培地作成用の中型ミキサー,瓶詰め機,高圧殺菌釜,掻出し機等の一連の栽培関連機器を備えており(写真4),中規模の栽培試験まで行うことができます。
また,HPLC(高速液体クロマトグラフィー)を用いてきのこの味覚成分(アミノ酸,低分子糖など)の分析や機能性の評価を行っています。さらに,物性測定器を用いて,きのこの美味しさの指標のひとつであるテクスチャー(食感)の評価が可能です。

写真4 培地調整の様子

前のページへ|次のページへ