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第17回北海道こども木工作品コンクールを終えて

企画指導部 普及課 高山光子


 はじめに


 林産試験場では今年も(社)北海道林産技術普及協会と北海道木材青壮年団体連合会との共催で「北海道こども木工作品コンクール」を開催しました。このコンクールは,子供たちの木材や樹木への興味を育み,木工技術の向上を図ることを目的に,木工工作個人の部,団体の部,レリーフ作品の部の3部門において,北海道内すべての小中学校に作品の応募を呼びかけるものです。応募作品については,美術館や学校教育関係者などによる審査委員会で,部門ごとに最優秀賞,優秀賞,特別賞を選考し,最優秀賞には知事賞として知事賞状を授与します。

 今年は全道の小中学校23校から189点の作品がよせられ,さる9月8日(火)に審査委員会により受賞作品が選ばれました。これらの受賞作品を中心に今年のコンクールについて部門ごとに紹介します。

 木工工作個人の部


 木工作品個人の部には12校から45作品が寄せられました。作品数は多くないながらも,素材の持ち味を活かした造形的な作品から実用的な作品まで子供たちの創意あふれる力作が集まりました。

 その中で最優秀賞には旭川市立永山西小学校4年の伊藤世那さんによる「オリジナルハウス」が選出されました。木の枝や葉っぱ,松かさなどいろいろな材料を使って,フクロウの遊ぶ木と木の家をセットにしたスケールの大きな作品です。『丁寧に作り込んであり自然に目がいく』『多様な視点で材料を選び活動意欲が伝わる』『丹誠込めたこだわりを感じる』など審査委員の高い評価を得ました。

写真 オリジナルハウス

 優秀賞には細い小枝で丁寧に形作った点が評価された「コウノトリ」(旭川市立永山東小学校6年 菅原春香さん)と,ミズナラ材で制作した「バターナイフ」(名寄市立風連中学校3年 大塚神さん)が選ばれました。バターナイフは取っ手の握りがよく,道具としてすばらしいとの評価を得ました。

写真 コウノトリ,バターナイフ

 特別賞には落花生の殻を鳥に見立てたかわいらしい「しあわせの木」(中標津町立中標津東小学校1年 田中日奈子さん)と皮付きの板を利用した「時計」(別海町立別海中央小学校4年 佐野翔也さん),内側を掃除できる作りなど巣箱として実用的な点が評価された「鳥の巣箱」(登別市立青葉小学校2年 奈良岡美咲さん)の3点が選ばれました。ある審査委員によると『この巣箱は必ず鳥が入る』とのことでした。

写真 しあわせの木,時計,トリノ巣箱

 木工工作団体の部


 団体の部には4校から4作品の応募がありました。

 最優秀賞には置戸町立勝山小学校3~6年生11人による「むしむしうんどうかい」が選ばれました。木の切り株に繰り広げられる虫たちの運動会の様子をダイナミックに表現した,ユーモアあふれる作品です。

写真 むしむしうんどうかい

 優秀賞に選ばれた当麻町立当麻中学校の美術部による「集う~北の鳥たち~」も,一本の木に色とりどりの鳥が集まっている様子を表現した,機械加工による完成度の高いすばらしい作品で,最優秀賞候補として最後まで審査員を悩ませました。

写真 集う~北の鳥たち~

 また,動物や芝桜の風景の中で野球やサッカーをする様子を表現した「みんなの滝上町」(滝上町濁川小学校5,6年)と枝やカンナくずなどいろいろな形状の木材で馬や羊,世話をする人など牧場の様子を表現した「木畑(もくばたけな)牧場」(留萌市立港南中学校 美術部)が特別賞を受賞しました。

写真 みんなの滝上町,木畑牧場

 レリーフ作品の部


 レリーフ作品の部は林産試験場で開発した「アート彫刻板」を使って作品を作成してもらいます。この彫刻板は,赤色の顔料を加えた接着剤で数枚の単板を貼り合わせた合板で,彫り方によって赤い接着層が様々な表情となって現れます。
 この部門には7校から140作品の応募がありました。

 最優秀賞には登別市立幌別中学校3年,鶴田亜紀さんの「チーター」が選ばれました。何層にもなった彫刻板の特長を生かしてダイナミックに表現した作品です。

写真 チーター

 優秀賞には小樽市若竹小学校5年の澤田快斗さんの「鳥」と今金町立今金中学校2年,天沼凌斗さんの「花火」が選ばれました。どちらもアート彫刻板全体を活かした作品で,生き生きとした表現や構図の大胆さなどが評価されました。

写真 鳥,花火

 特別賞には「真夏のひまわり」(小樽市立若竹小学校6年 金子茜さん),「この葉」(釧路市立阿寒湖小学校6年 松岡丈郎さん),「親子のキズナ」(登別市立幌別中学校3年 松田実咲さん),「レリーフ」(伊達市立伊達中学校3年 吉田剛大さん),「古代の王者」(厚沢部町立鶉中学校1年 中村一郎さん)が選ばれました。これらの作品は,しっかりと彫り込むことでアート彫刻板の層の効果を活かしている点や構図に動きがあり生命感を感じる点などが評価されました。
 アート彫刻板による作品は,深くまで彫り込むほど,層による効果で立体感が生まれ表現の幅が広がります。応募作品の中には残念ながら特長を生かし切れていないものも見られました。次回の作品募集時にはアート彫刻板の特長を十分伝えていくようにしたいと考えています。

写真 特別賞5点

 コンクールを終えて


 

 今年のコンクールは,初参加の学校や中学校の美術部からの応募もあり,これまで以上に幅広い児童,生徒さんからの作品が集まりました。今後はさらに多くの学校に参加してもらい,より内容の豊かなコンクールとなるよう募集方法などを再度検討していきたいと考えています。
 審査員の講評の中で『創作を楽しんだことが想像される』『楽しんで取り組んでいる様子が目に浮かぶ』などの言葉が聞かれたように,このコンクールをとおして,想像する楽しさ,一人ひとりの発想を自分の手で作品に仕上げていくおもしろさをより多くの子供たちに経験してもらうとともに,普段触れる機会の少ない木材に触れ,木や自然とのつながりを感じることができる機会となるよう取り組みを続けていきたいと考えています。

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