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行政の窓

木材・木材製品の貿易動向について


【 我が国の木材貿易 】

 我が国の木材輸入額は,林野庁「2008年木材輸入実績」によると,紙・板紙類,パルプを除き,平成20年は11,579億円(前年比83%)となった。但し,円高により,ドル換算では前年比95%となっている。
 国別輸入額は,中国が最も多く1,600億円(前年比87%),次いでマレーシア1,494億円(前年比83%)で, インドネシアが前年比69%,ロシアが53%と大きく落ち込む中,チップの輸入量が増えたオーストラリアが103%,チリが113%と増加した。
 品目別輸入量及び輸入額は,丸太が623万m3(前年比69%)1,429億円(前年比69%),製材は652万m3(前年比89%)2,445億円(前年比79%)で,丸太,製材ともに輸入量が大幅に減少した。特に,丸太輸入の大半を占めていた北洋材が前年比46%,輸入構成比30%と大きく落ち込み,米材の輸入構成比44%を下回った。

【 ロシア丸太輸出税引き上げの影響 】

 ロシアの丸太輸出税の引上げは,針葉樹については平成21年1月1日に予定されていた80%の税率は1年先送りにされたものの,広葉樹については,1m3あたり100ユーロの関税が課せられることとなった。ロシアでの出材意欲の低下,また,中国の需要増等により北洋材の輸入は大幅に減少した。

図 平成20年木材・木材製品輸入額

【 北海道の木材貿易と道産材供給率 】

 平成20年の北海道の輸入実績は,紙・板紙類や木材製品を含め855億円(前年比89%),品目別はチップが43%を占め364億円(前年比109%)と増加の一方,丸太62億円(前年比69%),製材127億円(前年比78%)で軒並み大幅に減少した。この背景には,昨年秋の米国発の金融危機に端を発した世界的な景気・経済の悪化による景気の低迷,ロシアの丸太輸出税の引き上げ等の理由が指摘されている。輸出税問題を契機に,カラマツ等の道産木材の利用が増え,平成20年度の道産材供給率は前年度に比べ2.9%上昇し55.6%となった。

【 北海道の丸太輸入 】

 丸太輸入量は,平成11年以降減少傾向にあり,平成20年は206千m3前年比63%,平成21年上半期も前年同期比91%と輸入量は減少している。
 北洋材は,平成20年は75千m3と平成12年の1割以下にまで減少,景気低迷や丸太輸出税の引上げの影響もあり,平成21年上半期の輸入量は前年同期比63%まで落ち込んだ。米材は,米国の木材市況の低迷等が出材意欲の低下を招いて漸減傾向が続き,平成20年は79千m3前年比74%と落ちこんだが,北洋材の減少により平成21年上半期は前年同期比126%まで増加した。南洋材は,平成18,19年と大幅に減少していたが,平成20年は42千m3前年比128%と増加した。

表 北海道の丸太輸入量,グラフ 丸太輸入量の推移

【 針葉樹製材の輸入 】

 針葉樹製材の輸入量は,平成19年に平成10年来初めて30万m3を下回り,平成20年は前年比90%,平成21年上半期は134千m3前年同期比127%となった。
 主要国別では,ヨーロッパが,平成20年は89千m3前年比62%と,産地の原料高や急激なユーロ高等から,主要輸入国のフィンランドなどが軒並み輸入量を減らし,大きく落ち込んだが,平成21年上半期には逆に前年同期比の3倍程度と輸入量を増やしている。

表 ヨーロッパ主要国別輸入量

【 構造用集成材の輸入 】

図 構造用集成材輸入量の推移

 構造用集成材の輸入量は,住宅着工戸数の減少等もあり,平成20年は前年から約6千m3減の21千m3で前年比77%であったが,平成21年上半期はヨーロッパからの輸入が大幅に増えた。これは,ユーロ高の影響等で昨年激減したフィンランドが輸出を増加したことによる。
 一方,平成19年は5千m3と年々輸入を増やしてきた中国も,平成20年は1.5千m3と前年比29%の大幅減となった。

表 構造用集成材輸入量

 昨年後半の世界的な金融危機により景気が低迷し,日本でも輸出産業の減退,住宅着工数の落ち込みから,輸出用梱包材や住宅部材の需要が減少した。このため,北洋材の輸入減少とも相まって木材輸入を含めた木材供給量が減少し,道産材供給率が更に増加する傾向となっている。

(水産林務部林務局 林業木材課 木材産業グループ)

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