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 ●特集「若松のアカエゾマツ人工林 76年生大径材の利用試験」

「若松のアカエゾマツ人工林」を紹介します

網走東部森づくりセンター 森林整備課 矢萩利雄



 はじめに


写真 若松のアカエゾマツ人工林の姿

 アカエゾマツは北海道の東・北部に多く生育し,直径150cm,樹高40mに達する雄大な樹形の常緑針葉樹です。昭和41年にはクロエゾマツとあわせ「北海道の木」に指定されています。
 当センター管理区内の「若松のアカエゾマツ」は昭和初期に植えられたもので,現在,大きな個体では直径60cm,樹高30m以上と,北海道のアカエゾマツ人工林を代表するにふさわしい深さと奥行きを感じさせる森に育っています(写真)。
 昭和43年には北海道百年記念事業による「北海道の美林」に,また54年には北見市緑化推進条例による「北見市の保存樹林」に指定され,市民の憩いの場として利用されています。

 人工林の沿革


(1)位置: 北見市若松 道有林網走東部管理区74林班57小班
(2)面積: 10.40ha
(3)地拵え: 昭和6年秋 刈幅(かりはば)1.5m,措幅(おきはば)1.2mの条刈り
(4)植付け: 昭和7年5月 2,000本/ha植栽(名寄産6年生苗木)
(5)下刈り: 昭和7年~昭和15年 計12回実施
(6)つる切り除伐: 昭和11年~昭和39年 計8回実施
(7)枝打ち: 昭和32年 全木2mまで裾払い/ 昭和34,35年 全木4mまで枝打ち/ 昭和40,41年 全木8mまで枝打ち
(8)間伐: 昭和32年~平成9年 計7回実施(間伐材積(7回合計)259m3/ha)
(9)受光伐,被害伐: 平成19年 被害伐(被害木材積1m3/ha)/ 平成22年 受光伐,被害伐(受光伐材積38m3/ha,被害木材積 46m3/ha)

 人工林の現況(平成22年3月現在)


 

 林齢: 78年
 平均直径: 39cm,平均樹高: 29m
 ha当り本数: 241本/ha,ha当り材積: 381m3/ha

 伐採木の試験


 6回目の間伐時(林齢51年),伐採木の一部を材質試験等のため林産試験場に提供しています。当時,試験結果として次のように報告されました(林産試月報419号 1986年12月)。それは『若松のアカエゾマツ人工林材の比重や強度的性能は天然林材と同程度である。若齢期に丁寧な枝打ちが行われ適正に本数管理されてきたことにより,将来,得られる大径材からは狂いの少ない高品質な心去り角材が採材され,付加価値が大いに高まるであろう』というものでした。
 平成19年(林齢76年)には被害木の整理をしましたが,伐採木の一部を試験用として林産試験場,北見木材(株)へ提供しています。ピアノ響板や合板材としての適性等の評価が待たれるところです。

 今後の施業について


 天然林のアカエゾマツの寿命は250年以上と言われています。若松のアカエゾマツ人工林については,旺盛な生育現況から,林齢150年を目安に,下層に天然更新しているハリギリやイタヤカエデ等の広葉樹を活かし,虫害等に注意を払いつつ,アカエゾマツ主体の針広混交林へ誘導することを施業目標にしています。

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