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 ●特集「若松のアカエゾマツ人工林 76年生大径材の利用試験」

製材と乾燥について

技術部 製材乾燥科 土橋英亮



 はじめに


 アカエゾマツは北海道の主要な造林樹種の一つですが,造林の歴史が浅いことや成長が遅いことなどから,高齢級人工林材の用途に関する研究は行われていません。そこで今回は,北見市若松産の76年生アカエゾマツを用いて,心去り正角材の乾燥試験を行いました。

表1 乾燥スケジュール

 試験の概要


 心去り正角材(製材寸法114?角×長さ3,650?)69本を製材し,乾燥試験を行いました。原木の径級は32cmから42cmで,正角材のみの製材歩留まりは約44%でした。製材後,表1の乾燥スケジュールにより人工乾燥を行いました。桟積みの最上段には写真1のように重りを載せました。総荷重は約2.5トン,桟木接触面積1cm2あたりの荷重は約1.2kgです。また,曲がりを抑制するために,製材との接触面に突起のあるアルミ製桟木(写真2)を一段おきに使用し,製材の上下どちらか一面に必ず突起があたるように桟積みしました。

写真1 桟積みの状況,写真2 アルミ製桟木

 結果


 製材直後及び乾燥後の形状測定結果を表2に示しました。過去に林産試験場で実施したトドマツの心去り正角材の測定結果と比較すると,曲がりは小さく,ねじれは同程度でした。正角材1本あたりの割れ面積は,表面割れ,木口割れともに小さくなりましたが,割れ面積全体に占める木口割れの比率が大きくなりました。しかし,木口割れはほとんど全てが製材直後の測定で認められており(ただし,幅のない線状のため,面積は0になるので表には記載していません),その原因として伐採から乾燥試験に供するまでの期間が長かったことが影響したと考えられます。なお,表面割れ面積の合計が最大だった材についても,製材直後の測定で線状の長い割れが認められていました。
表2 測定結果

 おわりに


 今回の試験では,アカエゾマツ心去り正角材の乾燥に伴う形状変化は,トドマツ心去り正角材と同程度以下に収まりました。しかし,比較的緩やかな乾燥スケジュールを採用したので,乾燥日数は約18日に及びました。今後は乾燥スケジュールを見直し,割れなどの損傷発生を抑制しつつ,乾燥の時間短縮とコスト削減を図る必要があると考えています。

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