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●特集『平成22年 研究成果発表会』-道産建築用材の需要拡大-

道産ツーバイフォー部材のトータル供給システムの開発とモデル建設

NPO法人北海道住宅の会 上島信彦
技術部 生産技術グループ 大橋義徳



 事業の背景・目的


◆ 北海道では1970年代から2×4工法を積極的に導入,現在は新築戸建ての約3割と全国一の普及率
◆ 2×4部材は寸法種類が少なく合理的,市場価格が安く,長年,輸入製品が主流で国産化進まず
◆ 輸入2×4製材は,森林資源の品質低下,北米の景気と為替の変動,中国市場の急伸などで供給不安
◆ 地球温暖化防止対策や経済活性化のため,2×4住宅でも国産材のニーズが高まる
◆ 北海道では,道内人工林資源を活用した構造部材が充実
 (トドマツ2×4製材,構造用合板,構造用集成材,床根太用I形梁など)
◆ 2×4住宅分野では,道産資材の一元的な供給体制がなく,入手や在庫管理が大変

図解 研究目的=道産構造材100%のツーバイフォー住宅を道内で建築できるネットワークと供給体制の構築

 事業の内容・成果


林野庁平成21年度事業の説明

道産構造材の一元的な流通体制の整備
 プレフレーミング工場での一括発注・在庫管理による効率化,部材の有効活用が図られることが確かめられた。
カラマツ2×4製材の製造試験と性能評価
 カラマツ2×4製材が高いヤング係数と実用上十分な品質を持つことが確かめられた。
プレフレーミング工場での組立試験
 釘打ちやトラス組立時には割れが生じやすいが,外観がよく,寸法精度も高く,輸入製材と比べて遜色ない品質であることが確かめられた。
道産構造材100%の2×4住宅のモデル建設
 品質の高い構造体を供給できることが確かめられた。

写真 カラマツ製材の人工乾燥,品質評価の様子,グラフ カラマツ製材の性能評価

写真 壁組,屋根組のプレフレーミング,モデル建築の床組みと小屋組

 今後の展開


◆ 建築実績の積み重ねと道内全域へ取り組みの拡大
◆ 量産に向けた製造技術の改善
◆ 道産2×4部材のバリエーションの拡充
◆ JASに向けたデータ整備と環境整備

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