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●特集『平成22年 研究成果発表会』−安全・安心・快適な高付加価値製品の開発−

北海道型木製ガードレールの実用化

企業支援部 普及調整グループ 今井 良



 研究の背景 ・目的


 近年の公共事業において使用される道路資材には,景観への配慮が不可欠となっているにも関わらず,道内においては既存の鋼製ガードレールへの景観色の塗装にとどまっています。他県で先行開発された木製ガードレールは,景観への配慮と地場産材の有効活用を目的としていますが,北海道のような多雪地域に設置するためには雪荷重に対する性能(耐雪性)を付与した製品づくりが必要となります。
 新たなガードレールの開発には国土交通省が定める実車衝突試験の合格が必要であることから,平成16〜17年度に開発した「北海道型木製ガードレール」の改良を行い,道産材を活用し景観に配慮した「北海道型木製ガードレール(耐雪型・B種)」の実用化を目指しました。

 研究の内容 ・成果


 従来の「北海道型木製ガードレール」について設計を見直し,低コスト化と性能向上のための改良を行い,実車衝突試験を実施しました。その結果,必要な性能(表1)を十分に満たし,試験に合格しました(写真1)。これにより国土交通大臣の認定を取得し,一般道(表2)で利用できる車両用防護柵(B種)として実用化が可能となりました。

表1 実写衝突試験の衝突条件と性能確認事項

写真1 実写衝突試験の様子および結果

表2 車輌用防護柵の種別と適用区間

 今後の展開


 当面は道林務局に協力をお願いして,林道や市町村道などを中心に普及を進めていく予定です。
 その後は,景観を重視すべき国立公園内,シーニックバイウェイの指定ルート,ガーデン街道およびその他観光地周辺の国道・道道などにおける広範な普及を目指し,道開発局や土木現業所へ働きかけていく予定です。

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