●特集『平成22年研究成果発表会』パートII
北海道内において出材量増加が予想されるカラマツ大径材を,品質や性能の確かな建築構造材(柱・梁)として安定供給するための生産技術について検討しました。ここでは,本年度の研究内容とその成果をご紹介します。
現在,道内のカラマツ林から出材される原木の径は30cmを超えるもの(大径材)が増えてきています。しかしその多くは大径である利点が生かされずに使用されており,今後,付加価値の高い建築用材としての利用が期待されています。そこで我々は道産カラマツ大径材を有効活用するための製材・乾燥方法について,H21年度より研究をスタートしました。本年度はカラマツ大径材の付加価値を高めるため(1)効率の良い製材方法の検討,(2)乾燥技術の検討について研究を進めました。
(1)効率の良い製材方法の検討
☆歩留まり良く平角材を取る木取り方法開発の目途が立ちました。今後は一般化を目指した木取りプログラムの作成につなげる予定です。
☆原木強度と平角材強度には相関関係(つながり)が見られました。原木段階で強度選別し強度に合った製材品を取る「振り分け」の有効性が示されました。
(2)乾燥技術の検討
☆平角材内部の含水率を均一化し,水分傾斜を軽減することができました。しかし,商業ベースで考えると,乾燥に時間がかかりすぎているので,今後は組み合わせ乾燥(蒸気+高周波)を検討しています。