行政の窓
【 我が国の木材貿易 】
林野庁「2009年木材輸入実績」によると,我が国の木材輸入額は,紙・板紙類,パルプを除き,8,119億円(前年比70%)となりました。
国別輸入額は,中国からの輸入が最も多く,1,257億円(前年比79%),次いでマレーシアが958億円(前年比64%)で,主要輸入先国(輸入額上位10カ国)のうちフィリピンを除く9カ国については輸入額は大幅に減少しました。
品目別輸入量及び輸入額をみると,丸太が413万m3(前年比66%)762億円(前年比53%),製材は557万m3(前年比85%)1,765億円(前年比72%)と丸太,製材ともに輸入が減少しています。
【 ロシア丸太輸出税引き上げの影響 】
ロシアの針葉樹丸太輸出税については,平成21年1月に引き上げが予定されていましたが,世界的な景気の悪化やロシアの国内事情等により,現在引き上げが見送られている状況にある中で,平成21年の北洋材丸太の輸入額は8億円(前年比38%)と大きく減少しています。
【 北海道の木材貿易と道産材供給率 】
平成21年の北海道の木材・木材製品輸入実績は,紙・板紙類や木材製品を含めて593億円(前年比69%)となっており,品目別にはチップが35%を占め204億円(前年比56%),丸太38億円(前年比61%),製材91億円(前年比72%)と,大半の品目で減少し,増加した品目は,構造用集成材15億円(前年比132%)となりました。
景気の低迷により,住宅着工数の大幅な減少,輸出産業不振による梱包材需要の減少など,木材需要が落ち込む中,輸入材が減少したため,平成21年度道産材供給率は前年度より若干上昇し,56.4%と見込まれています。
【 北海道の丸太輸入 】
丸太輸入量は減少傾向が続いており,平成21年は144千m3(前年比70%),平成22年上半期も前年同期比73%となりました。
北洋材の輸入量は,32千m3(前年比42%)にまで減少,更に平成22年上半期は前年同期比23%まで落ち込んでいます。一方,米材の輸入量は,76千m3(前年比96%)と若干の減少に留まっています。
【 針葉樹製材の輸入 】
針葉樹製材の輸入量は,平成21年は252千m3(前年比94%),平成22年上半期は135千m3前年同期比101%となりました。
国別にみると,カナダからの輸入が減った反面,フィンランドなどのヨーロッパからの輸入が,平成21年は132千m3(前年比148%)と,ヨーロッパの木材需要の低迷と円高ユーロ安による影響から,大きく増えています。
【 構造用集成材の輸入 】
構造用集成材の輸入量は,平成19年,平成20年と大きく減少しましたが,平成21年は34千m3(前年比162%)と特にヨーロッパからの輸入を大幅に増やしました。これは,製材と同じく円高の影響等でフィンランドやルーマニアが輸出を増加したことによります。
また,平成22年3月のフィンランドの港湾ストにより入荷が遅れ,平成22年上半期の輸入量が減少しています。