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木製内窓でエコリフォーム

性能部 居住環境グループ 朝倉靖弘



 時代はエコリフォーム


 地球温暖化の話題は毎日のようにニュースに登場し,CO2削減は世界のもっとも重要な課題となっています。こうした中で,生活で発生するCO2を削減するために,住宅の断熱性を向上させるリフォーム(エコリフォーム)が話題となってきました。エコリフォームはCO2削減という面だけではなく,あたたかく住みやすい住環境が得られるというメリットがあります。今回はこのエコリフォーム,特に窓に関係したリフォームについて紹介します。

 住宅エコポイントとは?


 最近,住宅エコポイントという言葉を聞いたことのある人も多いと思います。この住宅エコポイントとは,新築住宅やリフォーム時に省エネルギーに留意した工事を行うことによって,ポイント(エコポイント)を受け取り,いろいろな商品と交換したり,追加工事の費用にすることができる制度です。テレビ等の購入で話題になったエコポイント制度(家電エコポイント)ですが,住宅の場合は新築だけでなくリフォームも対象に入っていることが特徴です。また,ポイントをリフォーム時に追加で実施する工事費用への充当ができる点も特色でしょう。この制度は,平成22年いっぱいで終了する予定でしたが,22年9月に1年間延長され23年末までの実施となりました。また,10月にはソーラーシステムや節水型トイレなどへの制度拡充が行われています。制度の概要や補助金の申請方法は住宅エコポイントのWebページをご覧ください。
 さて,住宅エコポイント対象となっているものを図1に示しました。ご覧のように,このエコリフォームのなかで大きく取り上げられているのが窓の改修です。では,なぜ窓の改修が重要なのでしょうか?

図1 住宅エコポイントの対象

 窓の改修が重要なわけ


 ちょっと古い資料ですが,本誌2000年7月号に,窓の断熱について(財)ベターリビングの清水則夫さんに講演していただいた時の概要が載っています。内容の細かい説明は省きますが,このなかで住宅から逃げる熱の35%が窓から逃げており,窓を重点的に改修することにより,効果的に省エネが可能だとのことです。
 また,後述しますが窓の改修は外壁や屋根・天井のリフォームに比べて,工事期間が短く,比較的簡易にすませられる方法があります。このような点から,窓の改修はエコリフォームとしておすすめなのです。

 内窓で簡単リフォーム


 エコポイントの対象となる窓のリフォームには次の三つの方法があります(図2)。
・外窓の交換  ・内窓の設置  ・ガラスの交換

図2 エコリフォームの対象となる窓の断熱改修方法

 このうち,外窓交換は,外壁工事が必要な場合も多く,かなりの大がかりな工事になってしまいます。ガラス交換はサッシによっては不可能な場合もあり,また枠はそのままなのでその部分の断熱性が向上せず,結露の原因となる可能性があります。これらに比べて,内窓の設置は比較的短時間で終わらせることが可能です。条件にもよりますが,1軒分の窓を改修するのに1日から数日で済む場合がほとんどのようです。
 また,内窓といっても昔のような細い木の枠に1枚のガラス(単板ガラス)というものではなく,複層ガラスに不活性ガス注入や遮熱フィルム等の断熱処理を行った高性能ガラスを用いたものが対象となっています。ある程度の気密性がとられている製品も多く,結露等の問題も起こりにくくなっています。なお,住宅エコポイントを利用するには,住宅エコポイント事務局に登録されたサッシを使う必要があります。

 木製内窓を使おう!


 さて,内窓リフォームでおすすめなのが木製の内窓を使ったリフォームです。もともと木は結露がしにくく,見た目や触った時の温かみ(接触温冷感といいます)に優れていることからヨーロッパを中心にサッシの材料として使われてきました。特に内窓は従来の窓をカバーするように設置することが多いため,枠部分(額縁といいます)が大きくなりがちです。この部分を木にすることにより,高級感のある窓を演出することができます。逆に木製以外のサッシでもこの部分を木風に装飾することがあるくらいなのです。それなら,本物の木の窓を使ってはどうでしょうか。前述したエコポイント登録窓の中にも木製内窓は含まれていますので,是非検討してみてください。

 

 住宅の断熱性を測定する装置


 今回は住宅の断熱性に関する話題でした。そこで,林産試験場で新規導入した熱に関する測定装置であるハンディサーモグラフィー(写真1)を紹介します。この機械は離れたところから物体の温度分布を撮影することができます。我々はこの機械を使ってサッシのどの部位から熱が逃げているのかを測定したり,施工した住宅の調査を行ったりしています。写真2は,冬の住宅の窓周辺を外部から撮影したものです。窓や窓右上の換気口が赤色になっていて,室内の熱が外部に逃げていることがわかります。この機械については,本誌今月号の第2記事(3~5ページ)に詳細な情報がありますので,併せてご覧ください。
(http://www.hro.or.jp/list/forest/research/fpri/dayori/1012/2.htm)

写真1 ハンディサーモグラフィー,写真2 サーモグラフィーで撮影した住宅の窓

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