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「NHKおはようもぎたてラジオ便-北海道森物語-」林産試版



 林産試験場の職員がNHKのラジオ番組に出演し,提供した最新の研究情報について,番組でのやり取りを再現してお伝えしています。



針葉樹合板について

出演:技術部 生産技術グループ 平林 靖
放送日:平成22年11月23日(火)



■ 国産針葉樹で作られるようになった合板

写真1 かつら剥きされたカラマツ単板

NHK   今日は針葉樹合板についてお話をしていただけるということですが,あらためて合板とはどのようなものでしょうか?
平林  合板とは,木の幹の部分(丸太)をかつら剥きにし,薄い単板をつくり(写真1),これを交互に貼り合わせた,面積の大きな木質のパネルのことを指します。
 これまで日本で合板と言えば,熱帯地方から輸入した南洋材で作られ,一般にラワン合板と呼ばれ,大量に消費されてきました。

NHK  合板は,家具ですとか,生活のあらゆるところで使われていますけれども,今お話しにあったように,輸入された木材で作られていることが多いということですね?
平林  近年になり,熱帯林を守ろうとする意識の高まりや,資源の減少から,南洋材の輸入量は激減しました。
 今は国内の木に目が向けられ,本州ではスギ,北海道ではカラマツ・トドマツといった人工林の針葉樹を,合板の材料として用いるようになってきました。
 人工林は,使った分の木を植えて育てることにより,自然を壊さない,地球に優しい資源と考えられています。

■ ラワン合板と国産針葉樹合板の質の違い

NHK 国内の人工林を使っているとのこと。そうすると南洋材のラワンと,国内産の針葉樹とでは,質的な違いがあるのでしょうか?
平林  南洋材は四季のない高温・多湿な気候の中で育つため,太く,材質は均一で,合板の製造には最適な材料でした。
 それに対し,日本の針葉樹は,春に育った柔らかい部分と,夏から秋にかけて育った硬い部分,いわゆる年輪があり,節も多く材質的には不均一な材料です。
 南洋材に比べ幹も細く,きれいに剥くために,刃の角度を調整したり,高温で蒸して木を柔らかくしたり,接着剤も改良するなど,合板製造のために多くの工夫がなされてきました。

写真2 節が目立つ合板(トドマツ,カラマツ,いずれも構造用合板)

NHK  南洋材のように太くなく,硬く,節がある針葉樹ということで,合板にするにはいろんな手間・工夫が必要だということなのですね。そうして作られた針葉樹合板ですが,今,ラワン合板と品質の変わらないものが生産できているといえるのでしょうか?
平林  強度的には,ラワン合板に全くひけをとらないものができ,家の建築に使われる構造用合板などは,今ではほとんどが針葉樹合板です。
 しかし,針葉樹合板は,用いる丸太によっては節が目立ちすぎたり(写真2)抜けていたりするもの,あるいは表面が割れているものが現れ,きれいな表面が必要とされる用途にはほとんど使われません。

■ 国内産の針葉樹合板はラワン合板にとって代われるか

NHK   そうすると部分的に使っているということで,ラワン合板に全てとって代わっている現状ではないということですか?
平林  手が触れたり,人目に触れる場所に使う合板を作るためには,落ちた節を人の手ではめ込んだり,表面をパテで補修をするなど,多くの手間をかける必要があります。
 林産試験場では,ラワン合板と同等の表面平滑性を持ち,見た目にもきれいな針葉樹合板の製造が可能になるよう,研究を行っています。
 針葉樹合板の更なる用途拡大に向け,今後も研究・開発を進めたいと思います(写真3,4)。

写真3 内装用に開発したトドマツ合板と天井への利用例,写真4 内装用に開発したカラマツ合板と腰壁への利用例

NHK   便利に使っている合板のいろんな側面を今日は知ることができました。ありがとうございました。今朝は,針葉樹合板についてお伝えしました。(以上)

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