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「科学探検ひろば2011」参加記-木の重さを比べてみよう!-

技術部 生産技術グループ 平林 靖



写真1 木の重さを比べる実験

 旭川市青少年科学館(サイパル)において,1月8日,9日に「科学探検ひろば2011」が開催され,両日で約10,500名が来館しました。この催しに,地域のボランティア,近隣の高等学校の先生や学生,企業から50以上の科学屋台が出展され,来館者に面白い実験や工作などを体験してもらいました。

 林産試験場からは2名の職員が“いろいろな木の重さを比べてみよう!?”と題したブースを出展し,木の種類によって重さ(比重)が異なることを来館した子供たちに体験してもらいました(写真1)。

写真2 木の種類と色のいろいろ

 木材は木の種類によって色,模様,重さなどが異なります。今回は,北海道の代表的な樹木から,ミズナラ,ウダイカンバ,キリ,カラマツ,トドマツと,外国産材としてイペ(南米産),ユーカリ・ロブスタ(マレーシア産)の7種類を用い,それぞれの木の色や木目の違いを見てもらうとともに,同じ大きさの木片を手に取って,重さの違いを実感してもらいました(写真2)。
 使用した樹種の平均的な気乾比重は,イペ(1.1)>ユーカリ・ロブスタ(1.0)>ミズナラ(0.8)≧ウダイカンバ(0.7)>カラマツ(0.6)>トドマツ(0.4)≧キリ(0.3)です。気乾とは,吸放湿により木材中の水分と空気中の水分(湿度)のバランスが取れた状態を指し,日本では,屋外で12~15%,室内では6~8%程度の水を含んだ状態です。

写真3 上皿天秤を使って重さを比較

 子供たちは,それぞれの木片を両手に持ち,あるいは交互に持ち替えて,重さの違いを確かめていました。重さが微妙で,手で持っただけではよく分からない木の組み合わせの時は,上皿天秤を使って重さの違いを確かめました(写真3)。

 木片を重い順に並び替えてもらい,その重さの違いがどこから来るのか,パネルの顕微鏡写真を用いて説明しました。顕微鏡で見ると木材は空隙を有する多細胞構造であり,樹種によって異なることが分かります(写真4)。

写真4 木材の実体顕微鏡写真(左:トドマツ,右:ミズナラ)


写真5 木材を水に沈ませる実験

 木の重さは,木材の実質部と空隙,そして含まれる水分によって決まります。実質部の比重は水よりも大きく,樹種を問わずほぼ一定ですが,空隙は樹種ごとに異なるため,見かけの比重も木の種類ごとに変わってきます。  実際に小さな木片を水の入ったビーカーに落とし,水に沈んでしまうイペ,浮くか浮かないか微妙なユーカリ・ロブスタ,水面すれすれに浮いているミズナラ,水面に大きく浮き上がるキリなど,気乾比重の違いを目で見て確かめました。(写真5)。

 さらに,気乾状態では水に浮く比重1以下のミズナラ,ウダイカンバ,カラマツ,トドマツ,キリでも細胞の空隙部分を全て水で満たした飽水状態にすると水に沈んでしまい,樹種を問わず実質部は水より重い様子も見てもらいました。

写真6 ドリルを使って木のストラップを作る


 比重の違いは材の強度や硬さ,加工性などの性質にも影響します。子供たちは,気に入った木の1cm角のピースを選び,ドリルで穴をあけ,ストラップ金具を取り付けて,材の硬さ,加工性を体験し,オリジナルストラップを作りました(写真6)。






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