北海道林業試験場報告-第5号-

(昭和42年6月 発行)

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トドマツ人工林の樹高成長型と林分樹高成長の解析について (PDF,920KB) p.1~16
小林正吾
林木の樹高生長は,一般に立木密度の影響を受けないという前提のもとで,林地の地位評価の尺度として利用されている。しかし,林木の樹高生長は,地位因子以外に林木の遺伝的性質,林木間の競合,その他被害や手入れなど地位と直接関係のない因子の影響も受けるものと考えられる。また,立地因子の異なる林分間の樹高生長が一般に仮定されているように,相互に比例的な過程をたどるかどうか明らかでない。この2点は,林分樹高の利用に先立って,まず検討を要する問題である。
北海道の主要造林樹種であるトドマツについて,一定の地域の平均樹高生長曲線にGOMPERTZ曲線がよく適合することが林業試験場北海道支場(1965)によって報告された。そこで,筆者はいろいろな地位のトドマツ人工林分からえた樹幹解析木の樹高対年齢の観測値にGOMPERTZ曲線式をあてはめ,その樹高生長曲線の形に検討を加えた。また,2個所のプロットについて,全立木の樹高生長を測定して,林分樹高の生長過程を分析し,上述した樹高生長の利用上の問題点について若干の検討を行なった。
なお,この研究にあたり貴重な資料の提供と,調査,解析についていろいろ御指導を頂いた,林業試験場北海道支場の真辺昭技官,また,現地調査に積極的に協力を頂いた関係林務署の各位,および本調査に直接参加を頂いた当場の薄井五郎,杉浦勲両研究員に厚く謝意を表する。

トドマツを加害するハマキガ類 (PDF,413KB) p.17~24
鈴木重孝・上条一昭
単純林は混交林よりも害虫の大発生が起りやすいというのが,現在の一般的な見解である。このことは,林業上,極めて重要な問題を含んでいるにもかかわらず,具体的な研究がほとんど行なわれていない。
われわれはこの問題に関し,人工林と天然林とでは,トドマツを加害するハマキガ類にどのような質的,量的相違があるかを明らかにするために,1965年より調査を始めた。ところが調査開始当初から,北海道中央部のトドマツ壮齢人工林にハマキガ類の異常な発生が見られ,新梢がすべて食害され,遠くから樹冠部が赤変して見えるほどの被害を生じた。これら害虫の防除対策をたてる上での参考となるように,いまだ断片的で不明な点も多いが,2年間の調査でわかったトドマツを加害するハマキガ類の目録と生活史,ならびに天然林と人工林におけるハマキガ相の特徴を簡単に報告する。
本文に先だち,いつも御指導をいただいている北海道大学農学部昆虫学教室の渡辺千尚教授,種の同定をしていただいた大阪府立大学農学部の保田淑郎氏,東北農業試験場の奥俊夫氏,ならびに調査にあたって種々の御協力をしていただいた旭川林務署造林課の諸氏に対して深謝の意を表する。

カラマツイトヒキハマキの寄生性昆虫 (PDF,44KB) p.25~32
上条一昭・鈴木重孝
カラマツを加害するハマキガ類のうち,カラマツイトヒキハマキPtycholomoides aeriferana HERRICHSCHAFFERは北海道各地のカラマツ造林地に,しばしば大発生する主要な害虫である。筆者らは他の針葉樹を加害するハマキガ類の調査と並行して,この害虫の寄生性昆虫についても調査を進めてきたが,一応の結果を得たのでここに報告する。
本文に先立ち,いつもご指導を賜っている北海道大学昆虫学教室の渡辺千尚教授,ヤドリバエの同定をしていただいた高野秀三博士,ヒメバチの同定をお願いし,かつ御助言をいただいた兵庫農科大学昆虫学研究室の桃井節也博士に謹んで感謝の意を表する。

北海道大学第一農場の鳥類 (PDF,509KB) p.33~41
藤巻裕蔵
北大農学部付属第一農場(以上農場と略す)は札幌市のほぼ中央にあるが,ここには畑地のほかにいくつかの小林地があり,札幌付近に生息する鳥類の多くが見られる。
1957~1961の各年に農場の鳥類の観察を行なったが,ここに鳥類目録と繁殖期の鳥相について報告する。
なお鳥類目録の作成にあたり,北海道立林業試験場の上条一昭氏の観察記録(1951,1952年)も使用した。また1959,1960の両年については北海道大学農学部応用動物学教室の石城謙吉氏の観察記録を参考資料とした。貴重な資料をお貸し下さった両氏にお礼申し上げる。


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