北海道林業試験場研究報告-第24号-

(昭和61年12月 発行)

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第51号 第52号 第53号 第54号 第55号

トドマツ枝枯病の被害予測方法 (PDF,1.03MB) p.1~12
浅井達弘
トドマツ被枯病の被害林分2箇所を調査し,調査時点の樹高,初めて発病した年度及び初めて発病した時の樹高(初発病樹高)の3要因と被害度との関係を整理した。この結果,個体の被害予測には初発病樹高を用いるのが最適であることがわかった。初発病樹高と被害度(激害本数率)の関係は時間(年)や保残本の樹冠(縁)からの距離に対して類似した推移の傾向を示した。この関係を用いて林分の被害推移モデルを組み立てた。モデルは現実林分の被害推移をうまく再現した。このモデルの被害推移の収束線を決めることにより,個々の林分の各個体の初発病樹高から将来の激害木の本数を予測する方法を提案した。

海岸段丘ふきんの飛来塩分の分布 (PDF,903KB) p.13~20
薄井五郎・清水 一
海岸ふきんの飛来塩分量の高度分布を,広い平坦地と海岸段丘斜面とを対比させて検討した。測定高度は,1~6m,海岸線から 段丘崖までの距離は,各々70m,500m,900mであり,段丘の比高は,34,37,25m,段丘崖の傾斜は,44,43,42度である。 塩分トラップには2次元流に対応できる糸トラップを用いた。
その結果,塩分量および高度分布の形は,汀線から等距離にある平坦地のそれに類似するが,斜面脚部と段丘肩部背後に明瞭な 減少城があること,段丘肩部ふきんに明瞭な増大城があること,およびこれらの分布は風速分布と大体一致することがわかった。

緑化樹木の根系の成長-植栽後5年間の垂直分布と水平分布- (PDF,777KB) p.21~37
佐藤孝夫
シラカンバ,カツラ,エゾヤマザクラ,キタコブシ,ハクウンボクを苗畑に植栽し,5年間(ハクウンボクは4年間)にわたって根系の分布変化を調べた。その結果,根の垂直分布はエゾヤマザクラ,キタコブシ,ハクウンボクでは浅く,30cm未満の深さに全根量の90%以上(乾重比)があり,60cm以上の深さの分布量の割合は少ない。一方シラカンバ,カツラの根は深く,30cm未満の深さには全根量の約70%しかなく,60cm以上の深さに10~11%が,また細根(1mm未満)では26~29%が分布していた。根の水平的な生長は垂直方向への生長より大きく,根の水平分布は広範囲に及ぶが,各樹種とも全根量の50%以上の根は根株から40cmまでの範囲にあった。また,シラカンバとエゾヤマザクラの細根は広範囲に分布しているが,カツラとハクウンボクでは根株から近いところに多く,キタコブシではその中間であった。

北海道焼尻島におけるミズナラ・イチイ天然性林の群落学的研究 (PDF,1.14MB) p.39~63
斎藤新一郎
焼尻島の天然生林は,面積が約130haあり,ミズナラを主とする落葉広葉樹からなる林冠層と,下層の密生したイチイとの2層構造をもつ。この広葉樹林は,ミズナラのほか,イタヤカエデ,シナノキ,ハリギリ,ホオノキなどの高木からなり,下木も含めて生育密度が1,000~2,400本/ha,林冠の高さが最高で12~13mある。ここには,図-2に示されるように,アカエゾマツ天然生林分と,カラマツおよびトドマツ人工林分とが介在する。イチイは,高さが2~6m,生育密度が500~1,000本/haあり,暗い林内にあって,生理的過熟木が多く,更新稚苗を全く欠如するため,上木の伐透しや苗木植栽が必要である。このミズナラ・イチイ林は,現在,水源林,魚つき林,観光資源などとして,島民の生活の一部を支えている。


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