北海道林業試験場研究報告-第25号-

(昭和62年10月 発行)

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広葉樹苗の根の伸長の季節変化 (PDF,2.03MB) p.1~17
佐藤孝夫
根箱に植栽した広葉樹36種(落葉樹34種,常緑樹2種)の苗木(主に苗齢2~4年生)を用いて,根の伸長の季節変化を調べた。根の伸長は4月下旬~5月上旬に始まり,10月中旬~11月上旬に停止する樹種が多かった。根の伸長は地上部の伸長よりも早く始まる樹種が多く,地上部の伸長が停止した後にも根は伸び続けた。地上部が伸長しているさいの根の伸長量は,その量の多少によって4つの型に分類された(表-3)。すなわち,根の伸長がきわめて少ない樹種が13種,若干伸長する樹種7種,比較的良く伸長する樹種8種,良く伸長する樹種8種であった。
さらに,各樹種の根伸長の季節変化を類型化し,一山型(A・B型),二山型(A・B・C型),三山型に分けた(表-4)。一山型は24種(A型8種,B型16種),二山型は15種(A型5種,B型6種,C型4種),三山型は3種であった。

※表はPDFファイル参照

トドマツ人工林の間伐試験(1)
-間伐後4年間の生長量と葉量の回復-
(PDF,1.21MB)
p.18~27
水井憲雄・菊沢喜八郎・浅井達弘・清和研二
トドマツ人工林(23年生)に,上,中層木を間伐の対象とした全層的な間伐・(材積間伐率25%),下層間伐(同21%),および無間伐区を設定した。各試験区における5年間(間伐後4生育期間)の直径生長量および林分葉量,林内照度を調べ,間伐効果について検討した。
各区の5年間の材積生長量は93~101m3/haであった。各区間の差はわずかであり,それは間伐後の初期に生じた。
各区の平均直径生長量を期首の直径が12cm以上について比較すると,全層間伐区が最も大きく,次いで下層間伐区,無間伐区の順であった。全層間伐は上,中層木の生長に明らかな効果を示した。
林内照度は全層間伐区が他の区よりやや高く推移したが,間伐後5年目には各区間に差がなくなった。
枝の着葉率から葉の平均寿命を求め,それと林分落葉量から林分葉量を推定した。その結果を基に間伐後の林分葉量の回復経過を検討した。林分葉量は間伐後の比較的短い期間に回復することが推定された。上,中層木の間伐は下層木の間伐とは対照的に生立木の葉量を増加させた。
間伐後の短い期間であるにもかかわらず。上,中層木の間伐によって直怪生長量の増大が認められた。このことから,上,中層木の間伐は大径材生産を目標とする間伐に効果的であると考えられる。

ヨーロッパトウヒの間伐試験 (PDF,868KB) p.28~35
菊沢喜八郎
20年生の∃ーロッパトウヒ植栽林に対して,間伐率15%から78%まで4段階の間伐試験を実施した。間伐後4年間の胸高断面積合計の生長量は40%程度の間伐率までは無間伐区と大差なく,それ以上の間伐率では減少する。間伐率が高いほど個体の生長量は増加した。大径木から積算した積算材積(Y)と積算本数(N)の関係は,一般型のY-N曲線で近似できた。Y-N曲線を用いた分析では,間伐率が高いほど,大径木を生産できることが明らかになった。

北海道の5月~10月における蒸発散能・降水量比の分布と季節変化 (PDF,740KB) p.36~49
寺沢和彦・薄井五郎
林地における生育期間の気候的乾湿の指標を地域的に,また季節的に明らかにするため,全道162ヵ所について,日照時間と降水量の資料から,熱収支に基づいて気候的乾湿度(=蒸発散能/降水量)を求めた。
5月の気候は全道的に乾燥傾向にあるが,その後南から湿潤域が北上し,8月にはほぼ全道が湿潤傾向となる。その季節変化のパターンは,日本海型,オホーツク-十勝東部型,太平洋型の3グループに分けられる。すなわち,日本海型は5~7月に乾燥し8月~10月に湿潤となり,その変化が大である。太平洋型は5月~10 月を通じて湿潤であり,その季節変化は小さい。オホーツク-十勝東部型は5~7月に乾燥し,8月~10月の湿潤化の程度は弱度である。


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