北海道林業試験場研究報告-第51号-

 

(平成26年3月 発行)

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ナラフサカイガラムシによるミズナラの被害 (PDF,628KB) p.1~6
原 秀穂・寺澤和彦・徳田佐和子・小野寺賢介・滝谷美香
2009年夏,北海道深川市の20年生ミズナラ人工林でナラフサカイガラムシAsterodiaspis japonicaによる葉の枯れが確認され,その秋に葉がないか極めて少ない木が伐倒処理された。伐倒本数率は61%であった。当人工林において2011年5月から2013年10月までカイガラムシの個体数を,並びに2010年6月から2013年10月までミズナラの枯死・枝枯や成長状況を調査した。カイガラムシ雌成虫の殻は2011年春では多かったが,2012年春以降,著しく減少した。枯死木は2010年春から2012年春の間に発生した。樹冠部の枝先枯の拡大も主に2010年の春から2012年春の間で観察された。調査期間中に発生した枯死木の本数率は4.9%,樹冠部の枝先が70%以上枯れた激害木の本数率は2010年春14.8%から2013年秋23.5%と調査期間中に約9ポイント増加した。胸高直径はカイガラムシが著しく減少した2012年春以降,平均年増加量が大きくなる傾向が認められたが,枝先枯70%以上の木では調査期間中にほとんど増加しなかった。また,このような激害木では幹や太い枝から不定枝が多数発生した。

トドマツ人工林の地位指数曲線の改訂 (PDF,452 KB) p.7~11
滝谷美香
高齢級林分に対応した,トドマツ人工林の収穫予測を行うために必要な,新たな地位指数曲線の改訂を行った。全道1,897林分のデータを用い,ゴンペルツ関数,ロジスティック関数,ミッチャーリッヒ関数,およびリチャーズ関数に対して非線形回帰を行ったところ,樹高成長曲線としてリチャーズ関数が選択された。この樹高成長曲線を地位指数曲線のガイドカーブとし,地位指数12~24の地位指数曲線群を作成した。データとして利用した各林分の平均地位指数は17.50±3.35となった。本研究により得られた地位指数曲線群は,「北海道版トドマツ人工林収穫予測ソフトver1.3」において使用されている。今後はトドマツ人工林の施業計画の立案などに活用されることが期待される。

過去に報告された道内のカラマツ天然更新地の現況 (PDF,852KB) p.13~30
中川 昌彦
カラマツの天然更新地がカラマツ林に成林するかどうかを探るため,過去に報告されてきた道内のカラマツ天然更新地の現況の調査を行った。その結果,有効なサンプル数12箇所のうち,広葉樹林化が1箇所,広葉樹が優占するカラマツとの混交林が2箇所,広葉樹との混交林が2箇所,カラマツが優占する広葉樹との混交林が1箇所,成林が6箇所であり,成林していた確率は50%であった。また成林していた6箇所のうち4箇所は耕作放棄地であったので,林地においてカラマツ林が成林していた確率は,25%であった。本調査の結果から,カラマツが天然更新してもその後広葉樹林化あるいは広葉樹との混交林化する可能性が高いと考えられた。

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