北海道林業試験場研究報告-第52号-

(平成27年3月 発行)

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広葉樹に対するエゾシカ忌避剤の効果的な適用時期の検証 (PDF,980KB) p.1~10
雲野明・明石信廣・対馬俊之・中田圭亮・長田雅裕・森浩信
樹種ごとの枝の伸長フェノロジーと食害発生時期に合わせた散布適期を明らかにし,広葉樹にエゾシカ忌避剤を効果的に適用するため,北海道標津町の広葉樹植栽地において2011年に異なる時期に忌避剤を散布する試験を行った。本研究はその結果から作成した忌避剤散布スケジュールに合わせて2012年にヤチダモ,ハルニレ,ミズナラに忌避剤散布を行い,効果を検証した。その結果,どの樹種においても生育期間の樹高成長に対する忌避剤の効果はわずかであり,はっきりとは認められなかった。その理由として,2011年と比較し2012年は食害が激しく発生したためと推測された。ハルニレは2回目の下刈り時期である7月末に樹高が最大となったが,その後激しく食害されたため,10月には樹高を低下させた。しかし,2回目の下刈り直後に散布した忌避剤の樹高成長への効果は認められた。よって,忌避剤を2回散布する場合,ハルニレは大きく成長した枝を守るため,6月と7月下旬~8月上旬にかけての2回の下刈り時期に合わせて忌避剤を散布するのがよいと示唆された。ヤチダモでは 直前の6月末に散布した忌避剤に明らかな忌避効果が認められたため,1回目の伸びがほぼ止る6月の下刈り時期と,もう1回は植栽直後(5月)を基本とするが,地域の食害時期に合わせて2回目下刈り時期とすることも考えられる。なお,食害時期が不明な場合は植栽直後を提案する。ミズナラは苗木の枯れ下がり等により,2回目下刈り時期の検証試験しか行うことができなかったが,2011年の結果を含めて考慮すると,植栽時期の5月と2回目下刈り前後の7月下旬~8月上旬に散布するのがよいと示唆された。なお,シカの採食圧が非常に強い地域では,3樹種とも大きく伸びると食害を受けやすくなるため,3回の忌避剤散布でも食害を受けない高さまで生育するのは難しいと推測された。

北海道中央部の小流域における溶存有機炭素・無機態窒素の流出特性 (PDF,1157 KB) p.11~22
長坂晶子・長坂 有・石川 靖
北海道中央部の林相の異なる森林渓流2カ所(高齢級トドマツ人工林・落葉広葉樹林)において溶存有機炭素(DOC)と無機態窒素(DIN:硝酸態窒素とアンモニア態窒素)の採水分析を行い,平水時の濃度の季節変動特性や出水時の流出特性等について把握した。平水時の季節変化のパターンを見ると,DOCについては2流域の違いは見られなかったが,硝酸態窒素濃度は,トドマツ人工林流域において冬期に濃度上昇し,全国的に見ても高い値(0.6mgN/L)を示した。出水時の物質の流出特性は,融雪期と夏期大雨時では異なっており,融雪期はDOC,DINいずれも流量増加に応じて濃度上昇する関係が明瞭に見られたのに対し,夏期大雨時には,いずれも流量増加による希釈効果がみられ,渓流に流出する溶存物質の貯留量が季節により異なることが示唆された。2流域の物質輸送機構の違いは,①林床植生タイプの違いによる養分吸収量の違いが窒素溶脱量の差異をもたらし,②主要構成樹種の違いによる樹冠遮断および遮断蒸発量の違いが溶存物質を運搬する渓流水量の差異をもたらしていると考えられた。落葉広葉樹林流域はトドマツ人工林流域よりも流出率(流出高と降水量の比)が高く,豊富な水量を系外に流出しているが,集水域内部の窒素保持が堅固であり,集水域外への窒素流出は抑制されていることがわかった。

カラマツ・トドマツ造林地における下刈り年数の詳細な統計情報 (PDF,343KB) p.23~24
中川 昌彦
道内の一般民有林のカラマツ造林地およびトドマツ造林地における下刈り年数について,地域別の詳細な統計値について報告する。



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