【普及奨励事項】
1 摘録
１空育110号の特性概要
| 系統名 | 空育110号 | 組 合 せ | 空育99号×北海230号 | |||
| 特 性 |
長 所 1 良質 2 障害型耐冷性が強い |
短 所 1 いもち耐病性が「イシカリ」に劣る |
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| 採用県および 普及見込面積 |
北 海 道 10,000ha | |||||
| 形 質 | 品 種 名 | 空育110号 | 標 準 キタヒカリ |
比 較 イシカリ |
比 較 ともゆたか |
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| 早 晩 性 | 中の中 | 中の中 | 中の早 | 中の早 | ||
| 草 型 | 偏穂数型 | 偏穂数型 | 偏穂数型 | 穂数型 | ||
| 出 穂 期 | 8月8日8,月10日 | 8月8日,8月10日 | 8月6日,8月8日 | 8月5日,8月7日 | ||
| 成 熟 期 | 10月3日,10月7日 | 10月3日,10月6日 | 10月1日,10月6日 | 10月1日,10月5日 | ||
| 稈 長 | 65cm | 63cm | 61cm | 60cm | ||
| 穂 長 | 17.1cm | 17.9cm | 18.5cm | 17.5cm | ||
| 穂 数 | 23.2本 | 23.3本 | 20.9本 | 26.5本 | ||
| 芒 性 | 無 | 無 | 無 | 稀短 | ||
| ふ 先 色 | 黄 白 | 黄 白 | 黄 白 | 黄 白 | ||
| 脱 粒 性 | 難 | 難 | 難 | 難 | ||
| 耐 倒 伏 性 | 強 | や強 | 強 | や強 | ||
| 耐冷性(障害) | や強〜強 | や強 | や強 | や強 | ||
| 葉いもち耐病性 | 中 | や弱〜中 | や強 | 中 | ||
| 穂いもち耐病性 | 中 | や弱 | や強 | 中〜や強 | ||
| 玄米重 (a当) | 47.6kg,53.1kg | 44.0kg51.5kg | 43.6kg,52.9kg | 47.1kg,55.0kg | ||
| 〃 | (54.3kg) | (48.2kg) | (52.8kg) | (53.3kg) | ||
| 玄米千粒重 | 22.2g | 22.7g | 23.9g | 23.3g | ||
| 玄 米 品 質 | 上中下 | 上中下 | 上下上 | 上中下 | ||
| 玄 米 等 級 | 2上 | 2中 | 2下 | 2下 | ||
| 食 味 | 上下 | 上下 | 中上 | 中上 | ||
| 食味特性(1) | 100 | 100 | 106 | 107 | ||
| 〃 (2) | 421B.U. | 434B.U. | 372B.U. | 398B.U. | ||
| 調 査 地 | 北海道中央農業試験場稲作部(岩見沢) | |||||
| 調 査 年 次 | 1977、1979〜1981の4ヶ月(成苗、標準肥区) | |||||
| 品質候補名 | ||||||
２空育110号の特記すべき特徴
良質・多収である。すなわち、玄米品質と食味はほぼ「キタヒカリ」並で、収量はこれを上回り、「イシカリ」並かこれ以上である。耐倒伏性は「キタヒカリ」にまさり、ほぼ、「イシカリ」並で機械化栽培に適する。障害型耐冷性は、現在道央部に作付されている「キタヒかリ」、「イシカリ」ならびに「ともゆたか」などの基幹品種にまさる。
３本系統を奨励品種として採用する理由
現在、道央地帯における基幹品種は「イシカリ」と「ともゆたか」で、作付の約60%を占めているが、ともに多収性である反面、1等米の出荷率が低く、食味に対する評価も不十分である。
このため、中生の中に属する良質で食味のよい「キタヒカリ」の普及が進み、約20%の作付に及んでいる。
しかし、「キタヒカリ」は収量性がやや低く、耐病性にもやや弱点をもつことから過大な作付には危険がある。「空育110号」は熟期が「キタヒカリ」と同じ中生の中に属し、玄米品質がよく、食味も「キタヒカリ」とほぼ同等であり、収量と主要特性も「キタヒカリ」を しており、栽培上の安全性が高い。したがって、「空育110号」は出穂遅延の少ない道央部の良地帯において、基幹品種の「イシカリ」と「ともゆたか」に配合して作付けし良質米の生産に資する。なお、既に「キタヒカリ」の作付が過大になっている地帯ではその1部を「空育110号」にかえて稲作の安定化を図っていくものとする。
1)栽培適地、空知、石狩、後志、胆振、日高および上川中央部の良地帯
2)対象品種「イシカリ」「ともゆたか」および「きたひかり」等の基幹品種に配合する