【普及奨励事項】
水稲新品種候補系統  Ⅱ 15
道北36号の概要
1.特性一覧表  北海道立上川農業試験場
系統名 道北36号 組合せ 永系7361/道北5号*)
特性 長所
 1.耐冷性強
 2.早生で多収、やや大粒、や
  や良質、やや良食味
短所
 1.腹白を発現しやすい
採積 北海道16,000ha
形質/
系統品種名
道北36号 標)しおかり 比)はやこがね 比)イシカリ
出穂期の早晩性 早生の晩 中生の早 早生の早 中生の早
成熟期の早晩性 早生の晩 早生の晩 早生の晩 中生の早
草型 穂数型 偏穂数型 穂数型 偏穂数型
出穂期(月・日) 7.30 7.30 8.3 8.2 7.29 7.29 8.1 8.1
成熟期(月・日) 9.2 9.24 9.23 9.26 9.21 9.25 9.24 9.28
稈長(㎝) 58 61 72 75 59 63 61 67
穂長(㎝) 15.0 15.1 16.1 16.8 15.0 15.4 16.9 17.5
穂数(本/㎡) 574 654 516 579 577 650 501 585
芒の多少、芒長 稀・極短 多・中 稀・極短
ふ先色 黄白 黄白 黄白 黄白
脱粒性
耐倒伏性 やや弱 やや強
障害型耐冷性 やや強 やや強
出穂遅延型耐冷性 やや強 中〜やや強 やや強
いもち病
耐病性
推定遺伝子型 Pi-a、K Pi-a (Pi-a、K) Pi-a、K
葉いもち病 やや強〜中 やや強
穂いもち病 中〜やや強 やや強 やや強 やや強
a当玄米収量(kg) 55.1 62.0 53.4 52.3 51.1 58.1 56.3 62.8
収量標準対比(%) 103 119 100 100 96 111 105 120
玄米千粒重(g) 22.9 22.9 20.1 19.8 20.7 20.7 22.3 22.1
玄米品質 上下 上下下 上下 上下
食味 上下〜中上 中上 中下 中中
調査地 北海道立上川農業試験場(育成地)。破線の左は標肥区、右は多肥区。
調査年次 昭和54年〜57年、4カ年の平均値。
品種候補名  
*)永系7361:Cody/2*そらち、道北5号:北海182号(ユーカラ)/ふくゆき

2.「道北36号」の特記すべき特徴
  早生、耐冷、多収で安定性が高く、置替対象品種に比べて総合的な品質、食味がやや優る。

3.北海道で奨励品種に採用する理由
 道北、道東の稲作は「しおかり」、「はやこがね」等の粒形、粒大等を始め総合的な品質、食味の改善と耐冷性の強化が望まれている。一方、道央中生種地帯では「イシカリ」、「ともゆたか」の品質、食味の改善が強く求められている。「道北36号」を道北、道東の基幹品種として、また、道央の早生の配合品種として作付し、各地帯の稲作の一層の安定化と産米の品質、食味の向上をはかろうとする。

4.普及見込地帯
  北海道の上川、留萌、網走、十勝、空知、石狩、後志、胆振、日高の各支庁管内および渡島、桧山の北部。