注:縦線は普及見込地帯を示す。
【普及奨励事項】
Ⅰ 摘 録
1.上育糯381号の特性概要
| 系統名 | 上育儒381号 | 組合せ | 道北22号×道北糯18号 | |
| 特 性 | 長所1.良質 4.儒として千粒重が重い 2.強稈性 5.割籾の発生が少ない 3.多収性 |
短所1.登熟日数が長い 2.穂数確保がむずかしい |
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| 採用県および 普及見込面積 |
北海道 1,200ha | |||
| 系統・品種名/ 形質および項目 |
上育儒381号 | 標 準 かむいもち |
比 較 おんねもち |
参 考 ユキモチ |
| 早晩性 | 早の晩 | 中の早 | 早の晩 | 中の中 |
| 草型 | 偏穂数型 | 穂数型 | 穂数型 | 穂数型 |
| 出穂期 | 7月29日・8月4日 | 8月3日・8月9日 | 7月28日・8月2日 | 8月4日・− |
| 成熟期 | 9月24日・10月1日 | 9月26日・10月5日 | 9月18日・10月1日 | 9月23日・− |
| 稈長 | 60㎝ | 70㎝ | 58㎝ | 71㎝ |
| 穂長 | 16.7cm | 15.4㎝ | 15.4cm | 16.1cm |
| 穂数 | 23.2本 | 24.1本 | 28.8本 | 28.6本 |
| 芒性 | 少・極短 | やや少・短 | 中・やや短 | 中・やや短 |
| ふ先色 | 黄白 | 黄白 | 黄白 | 黄白 |
| 脱粒性 | 難 | 難 | 難 | 難 |
| 耐倒伏性 | やや強〜強 | やや弱 | やや強 | 弱 |
| 耐冷性(障害) | やや強 | やや強 | やや強 | 中 |
| 葉いもち耐病性 | やや強 | 中 | 中 | 中 |
| 種いもち耐病性 | 中 | 中 | やや弱〜中 | 中 |
| 玄米重(Kg/a) | 58.1・52.4 | 49.3・42.0 | 50.6・43.3 | 47.1・− |
| 〔同上比率〕 | 〔118〕・〔125〕 | 〔100〕・〔100〕 | 〔103〕・〔103〕 | 〔96〕・− |
| 玄米重(kg/a)と比率 | (59.3,117) | (50.9,100) | (53.5,105) | (42.4,83) |
| 玄米千粒重 | 20.7g | 20.0g | 19.8g | 21.9g |
| 玄米品質 | 上下上 | 上下下 | 上下上 | 上下中 |
| 玄米等級 | 2下 | 3上 | 2下 | 3上 |
| 食味 | 中上 | 中中 | 中上 | 中上〜上下 |
| 食味特性 | 774B.U. | 728B.U. | 754B.U. | 750B.U. |
| 調査地 | 北海道立上川農業試験場(旭川市永山) | |||
| 調査年次 | 1978〜1982年の5カ年(成苗標肥区,但し,中苗は1981〜1982の2カ年) | |||
| 品種候補名 | ||||
2.上育糯381号の特記すべき特徴
糯種として良質・多収である。すなわち,玄米品質と食味および加工適性は「かむいもち」よりまさり,ほぼ「おんねもち」並で,千粒重は,「かむいもち」および「おんねもち」より重い。収量は,「かむいもち」および「おんねもち」を上廻る。耐倒伏性件は「かむいもち」にまさり,「おんねもち」並かややよい。割籾の発生は,「おんねもち」および「かむいもち」より少ない。欠点としては,登熟日数が長いことであるが,熟期は「かむいもち」よりやや早いか同じ程度なので,特に遅くなることは少ない。また,穂数が「かむいもち」に比べて少なめである。
3.北海道で奨励品種に採用する理由
「かむいもち」は,1965年に奨励品種に採用され,道央地帯の糯の基幹品種としての役割を果してきたが,特に,品質および耐倒伏性の点で問題があり,時代の要請に合わない。「上育糯381号」は,「かむいもち」の欠点が改善されており,かつ,多収性である。
「上育糯381号」は,「かむいもち」が栽培されている道央部の良地帯およびこれに準ずる地帯の「かむいもち」に代えて栽培し,当該地帯における良質糯米の安定生産を図るものとする。
4.上育糯381号の普及見込地帯
(1)栽培地帯 上川中南部,留萌中南部,空知,石狩,後志,胆振,日高,桧山北部,渡島北部および
これに準ずる地帯。
(2)対象品種 「かむいもち」におきかえる。
注:縦線は普及見込地帯を示す。