2.上育395号の特記すべき特徴
　　極早生で苗立性に優れ、直播栽培に適する。

3.北海道で奨励品種として採用する理由
　　現在、低コスト米生産は国家的緊急な課題としてクローズアップされ、直播栽培に対する農家の関心は著しく高まっている。しかし、北海道における水稲の直播栽培は、移植栽培用品種｢キタアケ｣を用いて、その適応性や経済性について小規模・試験的に行なわれているにすぎない。しかし、｢キタアケ｣による直播栽培では、低温年にはしばしば成熟期に達しない場合が見られ、収量、品質の面で著しく不安定である。
　　｢上育395号｣は、直播栽培で「キタアケ｣と比較すると、苗立歩合は「キタアケ｣より優れ、成熟期では5〜6日早い。収量性はやや劣る〜並であるが、品質・等級とも「キタアケ｣を上廻る。従って｢上育395号｣は直播栽培向品種の具備すべき特性をすべて満たしてはいないが、現行の｢キタアケ｣に置き替えることによって、直播栽培の安定化と品質向上に寄与し、直播栽培面積の拡大と低コスト米生産に役立つ。

4.普及見込地帯
(1)栽培地帯:上川・空知支庁管内の良地帯およびこれら地帯に準ずる地帯
(2)対象品種:｢キタアケ｣(直播栽培)