総合農業 作物生産 夏作物 てんさい てんさい-Ⅰ-2-051-4
北海道 作物 畑作 てんさい  
てんさい新親品種候補「NK−212BR」の概要
1.特性一覧表 北海道農試・畑研セ・甜菜育種研究室
系統名 NK−212BR
特徴 長所 1. 組合せ能力が高い
   2. 抽苔耐性が強い
短所 1.褐斑病に弱い
 
調 査 地 育成地(北海道農業試験場)、北海道立北見農業試験場、同十勝農業試験場
「NK−212BR」の組合せ能力 ()の数値は対「モノホマレ」比
品種・
系統名
組合せ 根重
(t/10a)
根中糖
分(%)
糖量
(kg/10a)
不純物
価(%)
種子親 花粉親
モノホマレ
R1002
R1001
R1003
K1175
K1173
K1176
MOMSC-431
KRMS-4
KRMS-4
KRME-4
N172xN213
N172xN213
N172xN213
NK-152
NK-212
NK-152
NK-217
NK-212
NK-152
NK-257
5.99 (100)
5.78 ( 97)
5.76 ( 96)
5.27 ( 88)
5.64 ( 94)
5.59 ( 93)
4.82 ( 81)
16.87 (100)
16.68 ( 99)
16.47 ( 98)
17.12 (101)
16.69 ( 99)
16.57 ( 98)
17.42 (103)
1,007 (100)
962 ( 96)
946 ( 94)
896 ( 89)
939 ( 93)
924 ( 92)
838 ( 83)
3.96 (100)
4.61 (116)
4.45 (112)
4.18 (106)
4.24 (107)
4.21 (106)
3.32 ( 84)
番号 形 質 NK-212BR   NK-152(対象) 標準     モノホマレ 
































倍数性
種子の胚数
胚軸の赤色個体
葉姿
葉 長
葉 数
葉 色
葉 形
葉 面 縮
葉身の大きさ
葉 柄 長
葉柄の太さ
クラウンの大小
根 形
根 長
根 周
分 岐 根
露 肩
皺の多少
肉 質
トップ重
根 重
T / R 比
根中糖分
糖 量
ナトリウム
カリウム
アミノ態窒素
熟 期
抽苔耐性
褐斑病抵抗性
根腐病抵抗性
葉腐病抵抗性
二 倍 体
多 胚

直 立
や や 短

やや濃緑
皮 針
や や 多

や や 短
や や 細
かなり 小
円 錐
や や 短
や や 小

や や 少
や や 少
や や 軟
かなり 少
や や 少





や や 高

か な り 多
や や 弱

二 倍 体
多 胚

直 立


濃 緑
皮 針


や や 短
や や 細
か な り 小
円 錐




や や 少
や や 軟



か な り 高
や や 多
極 低
か な り 低
や や 高


や や 弱




てんけん1号(直立
モノホープ (中)
〃 ( 中 )
〃 ( 中 )
〃 (楕円)
〃 ( 中 )

〃 ( 中 )

モノヒル ( 中 )
モノホープ(円錐
〃 ( 中 )
〃 ( 中 )
〃 ( 少 )
〃 ( 少 )


〃 ( 中 )
〃 ( 中 )
〃 ( 中 )
〃 ( 中 )
〃 ( 中 )
〃 ( 低 )
〃 ( 低 )
〃 ( 低 )
〃 ( 中 )
〃 (やや多)
〃 (やや強)

二 倍 体
単 胚

直 立

や や 多
やや濃緑
皮 針

や や 小
や や 長
や や 細

円 錐






や や 少


や や 高


や や 低



や や 強

調査年次  平成5〜9年

2.「NK−212BR」の特記すべき特徴

てんさい「NK-212BR」は、北海道農業試験場において、高糖・高品質で雄性不稔系統との組
合せ能力の高い花粉親系統の育成を目標に、「NK-152」を用いてペアクロス法により糖生産力
に関する選抜、抽苔選抜を加えて育成した多胚二倍体の花粉親系統である.
本系統は、てんさい新品種候補系統「北海70号」の花粉親として、そう根病抵抗性を有す
る単胚二倍体の単交配雄性不稔種子親系統との組合せ能力が高い.

1)てんさい優良一代雑種品種育成のための花粉親系統「NK-212BR」を育成した.
2)「NK-212BR」系統は多胚二倍体の花粉親系統で、病害抵抗性を有する雄性不稔系統との組 合せ能力が高い.

3)根重、糖量はともに「NK-152」並かやや劣るが、根中糖分は「NK-152」並である. 4)褐班病抵抗性、根腐病抵抗性は「NK-152」並でそれぞれやや弱、弱である.
5)抽苔耐性は「NK-152」より強い.
6)採種関連形質は「NK-152」並である.

3.成果の活用面.留意点
1)てんさい新品種候補系統「北海70号」の採種用花粉親及びその他優良一代雑種品種育成 のための花粉親として使用する.

2)本系統は、てんさいの一代雑種品種育成のための花粉親以外の目的には使用できない. 3)採種栽培は、一般栽培品種の栽培法に準ずるが、母根養成、採種に当たっては褐斑病、じ ゃのめ病に対して耐性がないので防除を徹底する必要がある.