2.特記すべき特徴

 「上育糯451号」は出穂期が“早生の早”と早く、穂ばらみ期耐冷性は“極強”で強い。また、硬化性が高くつきもちでの食味が「はくちょうもち」にやや優る。

 

3.優良品種に採用しようとする理由

北海道における平成18年の糯品種の作付け面積は約8,100haで「はくちょうもち」が全体の74%を占めている。同品種に代表される北海道もち米の特徴としては、硬化速度(炊飯したり、もちにしてからの硬くなりやすさ)が遅く、加工直後の柔らかさ・粘りが長時間維持されるため、赤飯・おこわ等(主食用)に最適である。また、大福・おはぎなどの和菓子用途、白玉・道明寺粉などの穀粉原料としても適しているため加工用としても広く使われている。しかし、現在、北海道もち米の6割が使われている主食用の需要は横這いとなり、北海道もち米の販売実績進度は滞り、米価も下落している。一方、府県産もち米の3割程度が使用されている成型して製品化する「もち工」は、安定した需要が見込まれるが、硬化速度の速さがもち米の品質として重要視されるため、硬化性が劣る北海道もち米の評価は低く、現在は2割程度の使用にとどまっている。このため、用途拡大として硬化速度の速い良質耐冷性品種の開発が実需者から求められてきた。
 また、糯品種は、稲作北限地域での作付けが主体であるため冷害等により生産性が不安定となり、安定生産が強く求められている。「はくちょうもち」の穂ばらみ期耐冷性は強であるが、平成15年の冷害ではもち米生産地帯の作況指数は網走19、上川77、留萌88であり、安定生産のためには、さらなる耐冷性の強化が必要である。
 「上育糯451号」の硬化性は「はくちょうもち」に比べ明らかに高く、つきもちの食味は、「はくちょうもち」にやや優り、実需評価も高い。また、「上育糯451号」の熟期は